ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

清麗戦第5局

8月18日、第2期清麗戦第5局が行われた。先手・上田初美女流4段vs後手・里見香奈清麗。振り駒で後手番となった里見さんはゴキゲン中飛車中飛車をこれに対し先手の上田さんは超速銀の作戦をとった。途中図は昼食休憩に入った時の局面で63手目先手が…

裏芸の達人はやむごとなきものなり

8月17日は女流王座戦準々決勝第3局がおこなわれた。先手・藤井奈々女流初段vs後手・伊藤沙恵女流3段の一戦。振り飛車党の藤井さんに対して居飛車党の伊藤さんが裏芸の相振り飛車をぶつけるかどうかがまず注目だがそれに応えてくれるところが彼女のえ…

アベマトーナメントの再現?

8月13日79C2順位戦3回戦が一斉におこなわれた。そのうちより、先手・今泉健司5段vs高野智史5段の一戦を紹介したい。ごきげん中飛車vs超速銀ではじまった。途中図は32手目後手が87銀成と切りこんだところである。 この後86飛から同成銀と…

期待通りのすがすがしさ

第10期女流王座戦本戦トーナメントはベスト8が出そろっている。8月12日は準々決勝第1局として先手・山根ことみ女流2段vs岩根忍女流3段の一戦である。二人は振り飛車党。期待通りの相振り飛車は見ていてすがすがしささえ感じられる。昼食休憩時の…

詰将棋全国大会の福岡開催を断念

来る9月21日に12年振りに九州開催となるはずだった標記の大会をコロナ禍により中止となった。 我々、九州G(九州の詰将棋グループ)のメンバーは今次の状況下でも何とか開催に向けて大会のあり方に知恵を出し合いながら努力してきました。 然し乍らコ…

これは振り飛車と云えるのか

指し将棋は振り飛車党のため基本的に振り飛車の将棋しか追いかけない。最近のタイトル戦は振り飛車の期待薄であるが一応出だしの確認だけはするようにしている。名人戦第5局でも渡辺2冠の84歩をみてサイトを切り替えていた。しばらくして、ツイッターで…

相振り、壮絶タタキ合い

8月4日に行われた47期女流名人戦リーグでの先手・香川愛生女流3段vs後手・山根ことみ女流2段との一戦から。 途中図は先手27手目36飛と転じた手に対して後手が35歩と応じたことから事件が発生したというか激しい攻め合いに突入した。とにかく4…

新四段の相振り飛車

8月6日はアベマで朝日杯の日。この日、午後2時から先手・木下浩一7段vs後手・山本博志4段の対局が行われた。先手向い飛車v後手3間飛車となる。途中図は38手目後手が端の香歩の総交換をへて15角と出たところである。 これより先手は84歩と反撃…

生きているうちに・・・

王位戦第3局が終局したが、某TV局に出演した山口恵梨子女流2段が次のようなコメントを残している。藤井棋聖がみせた矢倉の「雀刺し」に対して「タイトル戦という大舞台で生きているうちに見られるとは思わなかった」と大興奮で語ったらしい。 いくら近年…

金無双ブーム?

久保9段が王座挑戦を決めた一局より図は34手目後手54銀と指した局面である。 後手は次に62金上としめるものなら、まさにこの囲い方は相振り飛車における囲い方・金無双そのものである。これが対抗型の振り飛車側に現れたということが少々驚きである。…

久保九段、タイトル戦へ

8月3日に王座戦の挑戦者決定戦がおこなわれ、久保利明九段が渡辺明二冠を破り13年ぶり3回目の王座挑戦となる。タイトル戦そのものは昨年、王将失冠して以来となる。 感想戦後のインタビューで「タイトル戦で振り飛車でも戦えることを証明したい」と語り…

詰将棋の解答(7月ブログ分)

7月1日分*12桂成 同香 24銀 同玉 25銀打 13玉 23銀成 同玉 24歩 32玉 31金 33玉 23歩成 同玉 41馬 同金 24銀打 まで17手詰 7月2日分*31銀 12玉 22金 13玉 23金 同玉 32飛成 同金 22金 同金 同銀成 同玉 31…

沙恵流、相振り

7月28日は第10期女流王座戦本戦トーナメントより2局の中継があった。2局とも振り飛車、これは見ていて楽しい。 一つは先手・里見香奈女流4冠vs後手・中澤沙耶女流初段の一戦で里見さんの55歩位取り中飛車。もう一つが先手・伊藤沙恵女流3段vs…

エリリンの四間飛車

7月27日の第10期女流王座戦本戦トーナメントより、先手・山口恵梨子女流2段vs後手・加藤桃子女流3段の一戦。先手は角交換四間飛車を目指したが、後手は角道をなかなか開けず、後ほど引き角にした。途中図は昼食休憩にはいった局面(46手目76飛…

相振りにおける美濃囲いの端攻め

7月23日におこなわれた14回朝日杯予選より、先手・石川優太4段vs古森悠太5段の一戦。相振り飛車となった。先手の囲いは金無双、後手が美濃囲い。途中図は54手目82玉の局面。 さてここから先手は後手の美濃囲いに端攻めを敢行する。これが面白いように…

伊予国の「ことみ姫」相振りに舞う

7月24日の女流王座戦本戦トーナメントより、先手・山根ことみ女流2段vs後手・上田初美女流4段の一戦。 両者、向い飛車で始まった。途中図は昼食休憩にはいった局面(56手目後手52玉の局面)。先手は飛車と香車の力で後手の金美濃の8筋を突破した…

竜王戦本戦トーナメント始まる

7月23日の第33期竜王戦本戦トーナメントより、先手・久保利明9段(1組3位)vs後手・佐々木勇気7段(2組優勝)の一戦がおこなわれた。 先手・久保9段の四間飛車で始まった。途中図は昼食休憩にはいった局面(37手目先手38金と指したところ) 次の途中…

惜しい一局

7月22日に行われた女流王座戦・本戦トーナメントより先手甲斐智美女流5段vs後手中村桃子女流初段の一戦。後手の角交換四間飛車で始まった将棋は昼食休憩に入った時点での途中図は下記の通り。後手向い飛車に転じて先手は7筋・8筋の位を取るなど本格的な戦…

女流の将棋は相振りで輝く

7月17日は女流王座戦の二次予選。先手・藤井奈々女流初段vs後手・中村真梨花女流3段の一戦。両者は振り飛車党のため期待通り相振り飛車となる。相3間飛車で囲いは互いに金無双である。出だしが75歩と35歩の突っ張り型の3間は女流将棋に圧倒的に…

振る飛車や昭和は遠くなりにけり

新棋聖の誕生はまことに喜ばしいことだ。 マスコミの狂騒は別として新しいスターが着々と地歩を固めていくことは将棋界のためには広い意味で良いことなのだろう。私の懸念は振り飛車の時代が少しづつ遠のいていくだろうことしかない。 昭和40年代(明治1…

朝日杯予選より

7月10日に行われた第14回朝日オープン1次予選より、島本亮5段vs阪口悟6段の一戦である。先手の島本5段は長崎の子供将棋教室に近年2回ほど来崎されたことがある。後手の阪口6段は何度か訪れた「森一門会祝賀会」で2回ほど指導将棋を受けた経験…

黒沢ワールド

7月11日にアベマTVトーナメントがおこなわれた。 注目は黒沢怜生5段(広瀬チーム)。第7局の対本田5段(三浦チーム)との一戦が特に面白かった。 上記途中図は後手黒沢5段が82角と打った局面である。 先手は46歩を守る適切な手段がなく後手が優…

ゴキゲン中vs超速銀

6月10日は清麗戦第2局が行われた。先手上田初美女流4段vs里見香奈清麗で後手の55歩位取り中飛車に対して先手は超速銀の作戦で臨んだ。下記途中図は先手が41手目15銀と指したところで昼食休憩となった。 対局再開後、後手は33桂と交換を計った…

相振り飛車の醍醐味

6月に行われた79期C1順位戦・1回戦より高崎一生6段vs宮本広志5段の相振りの一戦を紹介したい。 上記図は先手高崎6段が69手目64歩と俗に「ウサギの耳」と云われる部分に着手したところである。この後、飛車や香車の支えがあったとはいえ、歩の…

タイトル戦に「相振り飛車」登場

タイトル戦に相振り登場といっても女流棋戦の話しだ。 7月4日から始まった第2期ヒューリック杯清龍戦5番勝負。 ところで、8大タイトル戦に相振りどころか、振り飛車そのものを見かけなくなって5年も10年も経過しているような気がしてきた(本当は近…

久しぶりの相振り飛車

7月3日は女流王座戦の2次予選の最終局がおこなわれた。 石本さくら女流初段vs高浜愛子女流2級の一戦である。 先手高浜さんが4間飛車、後手石本さんが向い飛車である。 序盤早々に角交換となり、先手は56角と筋違いにうち、後手は持ち角で対抗した。…

なんとなく、もどかしかった

7月1日女流王座戦の2次予選が2局行われた。 振り飛車戦になったのが藤井奈々女流初段vs本田小百合女流3段の一戦だ。先手藤井さんの55歩位取り中飛車で始まった。 先手73手目に52歩成と二つ目のト金ができたところ。 本田さん相手に実にうまく指…

女流王座戦(3局とも振り飛車)

6月30日に女流王座戦2次予選から3局の一斉対局が行われた。3局すべて振り飛車vs居飛車の対抗型だった。やはりこうでなくてはね。3局同時進行で楽しめました。 中村桃子vs堀彩乃戦より 途中図は終盤で、先手が後手玉に31金打と詰めろをかけたと…

旅をした飛車

公開対局で人気があるJT杯がコロナの影響を受けて開幕が延期されていたが、公開ではない形式で実施の運びとなった。開幕にふさわしい(私だけの感想です)振り飛車党の久保9段の登場です。相手は羽生9段だった。6月28日午後3時よりアベマTVで中継…

「藤井猛全局集」来たる

楽しみにしていた標記の本が着本した。 とにかく大冊である。なんといっても616ページある。 藤井九段自選の棋譜(400局を超える)がぎっしりつまっている。 本のサイズはA5。私の「詰将棋の道」シリーズの本と同じサイズなので少々親近感がわく。本…