ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

相振り飛車を指しこなす棋士

力戦!相振り飛車の戦い 標記の本が昭和58年3月に日本将棋連盟より発行されていた。 昭和57年までの公式対局より100番を厳選したまさに相振りの熱闘譜である。 今年は昭和で言えば88年であるからあれからゆうに30年が経過している。あの頃からこの戦…

ストンリバーの「相振り好局選」追加ー25

花村元司九段vs長谷部久雄九段 第12期十段戦予選 端の香を除けばすべての駒がよく動く。そういった躍動感のある駒の捌き合いが楽しめる一局である。▲75角 ▽54飛 ▲69飛 ▽74歩 ▲66角 ▽24角 ▲39銀 ▽15歩 ▲75歩 ▽36歩▲同歩 ▽46歩 ▲同歩 …

短編詰将棋

短編の世界ではひたすら読みを必要とする難解な作品がいわゆる傑作として後世に残る傾向がある。ネット上で「難解七手詰」などと話題になったりすると、そういう感を深くする。 然しながら、総じて詰将棋は難しければよいというものではない。むしろ、軽快さ…

長崎県民表彰について

地方自治や産業、文化、教育などで功績のあった個人や団体に対する県民表彰の表彰式が平成25年11月23日、長崎県議会議場であり、127の個人・団体の栄誉がたたえられた。 長崎県のホームページを見ると、受賞者名簿が公表されていた。 その中に、今年のア…

東大将棋「詰将棋道場」

パソコン用ソフトで、一生遊べるが謳い文句だった「詰将棋道場」。 あなたのパソコンでもショートカットされたまま、お休みしていないだろうか。 いつでも解けると思っていると、このままでは一生解かない詰将棋になりかねない。圧巻は千題の対戦詰将棋だが…

禁じ手

プロの対局開始時などでの手番の間違いは反則負けになることはよく知られた厳しいルールである。 順位戦のようにあらかじめ先後が決まっている場合、対局開始の際に記録係りは最初になんと言うのだろうか。 指し手が進んで、うっかり二手指す反則もあるが、…

変化別詰解

詰将棋の世界には指し将棋の人が理解しにくい独特の用語がある。 変化別詰解(変別解)もその一つ。 作意よりも長い変化手順がある(その手順を作意と答えるが)と思っても、実はそこにはより短い手順で詰ます方法が隠されているということなのだが、サッカ…

長い詰より短い必至

将棋の終盤から生まれたものに詰将棋のほかに必至がある。詰パラ誌では「フエアリーランド」栄えても必至問題が盛んになったことはない。 実戦に必至が役立つかもしれないが詰キストは即詰があるなら(ありそうなら)それを目指すと云う心意気の人もいて「長…

将棋の日in北九州

平成25年11月16日(土)17日(日)に第39回「将棋の日」のイベントが北九州市で開催された。11月16日のイベント <北九州市長杯こども将棋トーナメント> 低学年の部と高学年の部の優勝者が翌17日のNHK公開収録のイベントで棋士とペアを組んで「次の一手…

ストンリバーの「相振り好局選」追加ー24

西川慶二七段vs脇謙二八段 第50期B2順位戦 この途中図を見て大方、普通の相振りの出だしからこうなったのだろうと思うに違いない。ところが、これは横歩取りからの発展図なのである。こんな展開になるのだったら、たまには横歩取りも指してみようと振り…

思考と身体の揺れ

プロ棋士は序盤や中盤で構想を練る時は身体が横に揺れて、正確な読みを積み重ねる終盤には身体が前後に揺れる傾向があるらしくて、棋士が奈辺を考えているか推測できそうだ。 詰将棋作家は創作をしているときは横揺れし、本筋を読み進む解図では前後に揺れて…

「勝負心」 渡辺明 著

標題の文春新書が11月下旬に発売される。それに先立って、文藝春秋12月号にて「新刊を読む」と題して、見開き2ページにて紹介記事が掲載された。ライターは将棋記者の内田晶氏である。そのさわりの部分をご紹介しよう。竜王位獲得後の人間的成長 渡辺竜王は…

竜王戦<前夜祭>

第26期竜王戦第3局が11月7,8日に福岡県筑紫野市の二日市温泉「大丸別荘」にて開催される。 その前日(6日)に開催された前夜祭に行ってきた。 長崎からは博多へ行く際の通り過ぎるだけのことが多いJR二日市駅だが、初めて温泉街へ足を踏み入れた。読売新…

ストンリバーの「相振り好局選」追加ー23

内藤国雄九段vs大野源一九段 第21期王座戦 前回に引き続き、大野九段の将棋である。出だしの4手はなんとなく現代相振りを連想させる。玉の囲い方で先手の48銀&38金は内藤九段の相振りでよく採用される囲い方である。後手は当時、常套手段の金無双である。…