ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

相振り飛車の醍醐味

6月に行われた79期C1順位戦・1回戦より高崎一生6段vs宮本広志5段の相振りの一戦を紹介したい。

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上記図は先手高崎6段が69手目64歩と俗に「ウサギの耳」と云われる部分に着手したところである。この後、飛車や香車の支えがあったとはいえ、歩の活用で6筋を突破したのには少々驚きだ。下図のように107手目に63歩成となってしまった。この攻防では歩の手筋が数多く登場する。「突き捨ての歩」「継ぎ歩」「合わせの歩」「タタキの歩」「大駒遮断の歩」などである。勝負は終盤に後手からの反撃をかわして159手で先手が勝利した。

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 相振りというのは縦の戦いが主流である。この将棋では6筋を中心とした攻防だった。相振りは押したり引いたり、せめぎあうその攻防がたまらなく好きだ。歩の使用の印象が深いこの将棋は私の中で今年度の「相振り名局賞」の一つになることは間違いない。

今回の詰将棋:17手詰

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