ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

キラリと輝くか、新星

12月22日に48期女流名人戦の予選が行われた。 先手:山口稀良莉女流2級vs山口絵美菜女流1級の一戦。 先手の人が聞きなれない名前だなと思い、連盟のHPを見た。 この12月に女流2級としてプロになったばかりの岐阜の高校1年生だった。どうやら…

12月14日の朝日杯

午前10時から行方尚史9段vs阿部光瑠6段でその勝者が午後2時から佐藤天彦9段との対局という組み合わせだった。 この日は女流王座戦が一番気になる対局だったので、阿部6段に淡い期待は持っていたものの振り飛車戦はないだろうとみていた。 ところが…

女流王座戦の決着

12月14日女流王座戦の第5局が行われた。 先手:里見女流4冠・中飛車vs西山女流王座・3間飛車。 第2局の振り飛車対抗型を除けば残る4局はすべて相振り飛車となった。 タイトル戦で振り飛車がそれも相振り飛車が観戦できるとは楽しさ・うれしさを通…

カド番をしのぐ

12月9日、女流王座戦の第4局が行われた。 先手:西山朋佳女流王座vs後手:里見香奈女流4冠の一戦。 またもや期待通り相振り飛車となった。 先手3間飛車vs後手向い飛車。 途中図は昼食休憩時点で後手が42手目24飛と指したところ。 このあと、局…

タイトル戦での相振り飛車

12月1日は第10期女流王座戦第3局が開催された。 里見香奈女流4冠vs西山朋佳女流王座の一戦で戦型は相振り飛車。 8大タイトル戦では相振りどころか、振り飛車そのものが珍しいことだ。 先の王座戦で久保9段が振り飛車で戦ってくれたが敗退した。 …

詰将棋の解答(11月ブログ分)

11月1日分*73桂 同金右 53桂 同金 62香 同玉 71銀 51玉 42銀打 61玉 62銀成 同玉 53銀成 同玉 52金 まで15手詰 11月12日分*81馬 61玉 71馬 51玉 43桂 同金 62馬 同玉 73銀成 同玉 65桂 82玉 64馬 93玉…

新しい棋戦始まる

女流将棋の新棋戦が11月13日に開幕した。 第1期ヒューリック杯白玲戦・女流順位戦である。 8組にわかれて、それぞれ8名によるリーグ戦をおこなう。 今回紹介するのはB組から加藤圭女流初段vs清水市代女流7段の一戦である。戦型は先手の加藤さんの…

居飛車党の相振り飛車

11月11日におこなわれたB2順位戦より井上慶太9段vs戸辺誠7段の一戦である。向い飛車対3間飛車となった。井上9段は本来、居飛車党だがごくまれに振り飛車党に対して相振りを指すことがある。将棋の内容は戸辺7段の攻めをしのいだ後に、反撃に転…

詰将棋サロンの解説号

将棋世界11月号で自作詰将棋が入選したところであるが、12月号はその作品の解説が記載されてる。 それによると、手順の解説にとどまらず、次のようなコメントを及川拓馬六段は述べられている。 <詰将棋作品集を何冊も上梓されている作者。「詰将棋の道…

女流王将戦の決着

10月30日、第42期女流王将戦の第3局がおこなわれ、先手・西山朋佳女流王将が後手・室谷由紀女流3段を相振り飛車の戦いで勝利してタイトルを防衛した。 報道では先手の逆転の勝利と伝え聞いたが、棋譜を並べて見る限り西山側の玉の囲いが崩壊したわけ…

詰将棋の解答(10月ブログ分)

10月1日分*42銀 32玉 41銀生 33玉 45桂 同角 42銀 同玉 51馬 31玉 43桂 同金 32銀成 同玉 41馬 33玉 43銀成 同玉 44金打 まで19手詰 10月2日分*42銀 同金 41金 同金 同と 同玉 42金 同玉 53角 32玉 41銀 …

女流王座戦が開幕

10月28日、第10期女流王座戦5番勝負が開幕した。 西山女流王座に里見4冠が挑戦するタイトル戦である。 注目の戦型は先手の里見さんが58飛と早々に中飛車をめざしたが後手の西山さんが同じく52飛車と中飛車で応じたためほどなくして、28飛とも…

永遠の桑原流

私の詰将棋作家への水先案内人は故・桑原辰雄氏であった。 早いもので彼の死後、5年が経過する。 10月22日は彼の命日である。 趣味の世界で特にオマージュ的思いのある人との別れは一種独特の淋しさを伴うものである。 昭和55年、作家・立原正秋氏の…

三間飛車ばかりではない

10月15日、79期C2順位戦5回戦がおこなわれた。 先手・石田直裕5段vs後手・山本博志4段の一戦より。 戦型は後手のゴキゲン中飛車となった。 山本4段といえば3間飛車、3間飛車といえば山本4段を思い浮かべるくらいだ。その彼が中飛車とは初め…

遠いタイトル

10月14日に第68期王座戦第5局がおこなわれた。 残念ながら久保9段は敗れタイトル奪取はならなかった。 彼にとっては3度目の王座戦挑戦だった。49期と55期ではいずれも羽生王座に跳ね返されていた。 久保9段の直近の可能性はベスト8まで勝ち進…

女流王将戦第2局

10月13日に第42期女流王将戦第2局がおこなわれた。 先手・室谷由紀女流3段vs後手・西山朋佳女流王将の一戦。 戦型は互いに3間に振る相振り飛車となった。 囲いは美濃vs右矢倉である。 途中図は先手が45手目77桂とはねて、局面の頂点を迎え…

本領発揮の粘りのアーティスト

10月6日に第68期王座戦第4局が行われた。 アベマで中継がおこなわれ、解説に菅井8段、今泉5段、室谷由紀女流3段など振り飛車に精通した人が登場し、解説も話題も実にわかりやすく面白かった。 さて、将棋の方は先手久保9段のノーマル4間飛車で始…

「将棋世界」の詰将棋サロン

2020年11月号の同誌で実に久しぶりに入選を果たした。 入選6回となっているが、前回がいつの出来事だったか思い出せないほどだ。多分10年以上は経過しているはずだ。 私の主戦場は詰将棋パラダイス誌上だ。20手超えの中編作が多く、17手以内の…

どう指したら、こうなるのか

10月1日は倉敷籐花戦の挑戦者決定戦だったので、A級対局(先手・斎藤慎太郎8段vs後手・羽生善治9段)の一戦をほったらかしにしていた。どうせこの二人なら振り飛車戦にならないだろうと高をくくっていた。午後2時頃にアベマTVを確認して思わずの…

銀不成のマジック

9月30日に行われた第69期王座戦一次予選の先手・小林健二9段vs後手・安用寺孝功6段の一戦。 後手のごきげん中飛車で始まった戦いでの途中図は86手目46銀と指したところである。 この後、この銀が他の着手も交えながら37銀生~38銀生~47…

詰将棋の解答(9月ブログ分)

9月3日分*72銀 同銀 71金 51玉 62馬 同玉 74桂 51玉 41金 同玉 31飛 まで11手詰 9月4日分*21龍 同金 33角 同金 22銀 同玉 31銀 同金 11銀 23玉 22金 同金 同銀成 同玉 21金 32玉 52飛成 21玉 22金 まで19…

百花繚乱

9月26日はマイナビ女子オープン予選の一斉対局だった。 午前と午後での対局総数は正確には数えきれないが多分35局前後だったと思う。ほとんどの対局で目にするのが百花繚乱の振り飛車戦。振り飛車フアンにとっては堪えられない楽しい一日であった。「将…

倉敷籐花戦での快進撃

9月18日倉敷籐花の準決勝戦が行われた。 先手・石本さくら女流初段vs後手・甲斐智美女流5段。 戦型は互いに3間に振る相振り飛車となった。 途中図は先手が63手目に98角と打ったところである。 実はこの角はのちほど76角とあがり、また98角と…

優柔不断

9月14日女流王座戦の挑戦者決定戦がおこなわれた。先手・里見香奈女流4冠vs後手・伊藤沙恵女流3段の一戦。この二人なら相振りになることを期待して観戦開始。先手里見さんはいつでも飛車が振れるような駒組で動く。対して後手伊藤さんも相振り模様に…

「表彰状」来たる

詰将棋全国大会が12年ぶりに九州(博多)で開催される予定であったがコロナ禍で中止となった。本大会では「看寿賞」・「門脇芳雄賞」などの表彰式がイベントの一環として行われることになっていた。 先日、この「門脇賞」の表彰状が送付されてきた。りっぱ…

相振りで及ばず

9月4日は女流王座戦準決勝の残りの一局が行われた。先手・里見香奈女流4冠vs後手・山根ことみ女流2段の対戦で相振り飛車(3間vs向かい)となった。里見さんは山根さんが振り飛車党であることを重々承知の上で相振りに誘ったように思える。途中図は…

「7手詰」の詰をどう読むか

Youtubeで棋士会チャンネルをみていたときのことだ。畠山鎮8段と藤井奈々女流初段の二人で棋士作成の詰将棋を20分間ほど出題・解説をしていた。 畠山8段は解答手順の末尾で「7手づみ」でしたと発声していた。私は「7手づめ」というものだとばか…

思いがけない振り飛車

9月3日女流王座戦の準決勝の一局。先手・伊藤沙恵女流3段vs後手・加藤桃子女流3段の対戦でなんと先手が角交換四間飛車を目指した。この二人の対戦ではてっきり相居飛車だろうと思い、一応確認してから本日は王座戦第1局に集中しようと思っていた矢先…

詰将棋の解答(8月ブログ分)

8月4日分*21龍 同玉 13桂打 同香 33桂打 11玉 21金 12玉 22金 同金 21銀 11玉 12金 同銀 同銀成 同玉 21銀 11玉 12銀打 同金 同銀成 同玉 21馬 23玉 22金 まで25手詰 8月5日分*73銀 61玉 62銀成 同金 51金 …

最後の枠をかけて

8月25日、ベスト4入りをかけて女流王座戦の準々決勝の4局目が行われた。先手・鈴木環那女流2段vs里見香奈女流4冠の一戦。 後手の55歩位取り中飛車に対して先手は居飛車穴熊の作戦を採用した。途中図は昼食休憩に入った局面。58手目に後手が85…