ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

倉敷籐花戦の挑戦者決定!

9月24日第27期大山名人杯倉敷籐花戦挑戦者決定戦がおこなわれた。伊藤沙恵女流3段vs加藤結季愛女流初段の一戦である。私は振り飛車戦以外は原則として観戦しない主義なので、対局終了後、棋譜を目で追って確認したところ、中盤以降伊藤さんが一方的…

手に汗握る二転三転

9月23日午前10時から叡王戦7段予選の村山慈明7段vs田村康介7段戦があった。先手村山7段の居飛車穴熊に対して後手田村7段は3間飛車だった。この将棋は途中から振り飛車や穴熊の影も形もなくなるほど激戦だった。一手指した方がよくみえる感じだ…

叡王戦5段予選

9月21日午前10時から石井健太郎5段vs黒沢怜生5段の対戦があった。この二人なら相振りになるだろうと予想したが後手黒沢5段が早々に22飛から25歩と伸ばしたため先手は振り損ねてしまった。それでも振って良かったのだがその場合は26歩、同歩…

進化する振り飛車党

9月20日、貴重な振り飛車党の棋士の一人、佐藤和俊6段が叡王戦に登場。佐藤6段といえば以前は振り飛車穴熊のイメージしかなかったが最近では多彩な振り飛車を見せてくれるようになった。この日は2局ともノーマル3間飛車だった。 まず、午後2時からの…

意外な玉の囲い方

9月19日のネット注目局は朝日杯の中川大輔8段vs長岡裕也5段の一戦だった。先手中川8段の居飛車に対して後手長岡5段は振り飛車でいわゆる普通の対抗型だったが少し変わっているのは後手の玉の囲い方が「金無双」だった。通常は相振り飛車戦にしか現…

一生残る、一瞬のために

9月18日の叡王戦7段予選より、戸辺誠7段vs飯島栄治7段戦が相振り飛車となった。玉の囲い方は先手が穴熊で後手が美濃だった。39手目角交換があった後、先手、後手共に5筋に角を打ち合う展開となった。駒組みの頂点となったころ、互いに端攻めとな…

菅井七段vs阿久津八段

9月12日にB1順位戦5回戦がおこなわれた。先手菅井7段は昨年とは打って変わって好調なスタートを切った順位戦である。さて、56歩から中飛車を目指したが後手に向い飛車で対抗された。毎度いうようだがこの中飛車は相振りにされると妙に指しにくい。…

日日是好日

樹木希林の今のところ最後の上映作品になるのか『日日是好日』という作品をネットカフエのシネマチャンネルでみた。セリフの数々が茶道の精神に限らず、実生活に共鳴する部分がかなりあった。数点、あげるとこんな感じ。 1 「お茶はまず『形』から。先に『…

熱戦期待の決定戦

9日のネット中継将棋の最大の注目局は女流王座戦の挑戦者決定戦であった。西山朋佳女王vs伊藤沙恵女流3段の一戦だ。格違いの戦いを思わせるが伊藤さんが一発入れるなら里見6冠も避けたという伊藤さんの独特の指し回しの相振り飛車しかないのではと私は…

詰将棋のプロ的思考

元奨励会員(石川泰の将棋チャンネル)による詰将棋を解くことに対する考え方がYoutubeにアップされているので紹介したい。 https://www.youtube.com/watch?v=NHL0_QLgCvE 詰将棋を解く本当の意味は短手数と長手数で、その取り組み方が違うのだという…

清く麗しい戦い

清麗戦第3局が9月7日おこなわれた。後手里見香奈女流5冠の中飛車に対して、先手甲斐智美女流5段は超速銀で応じた。先手は桂2枚を持って95歩と端にアヤをつけて勝負にでた。解説では形勢不明が続いていたが、時間に追われもしていた先手を120手で…

振り飛車が続いた日

9月6日朝日杯の石井5段vs杉本4段戦を前ブログで紹介したが、勝ちあがった石井5段が同日、19時から片上大輔7段と対戦した。先手を持った石井5段は今度は向い飛車に振る。嬉しいことはたまに続くものである。振り飛車が確定するとなぜかホッとする…

端の攻防、いと面白し

9月6日の朝日杯は午後2時から石井健太郎5段vs杉本和陽4段だった。先手石井5段のノーマル4間飛車に対し、後手杉本4段は右4間で対抗した。杉本4段はよく振り飛車をする人なのでひそかに相振りを期待したがそんな贅沢を言っている場合ではない。こ…

東の横綱、本領発揮。

振り飛車党の棋士で東の横綱が藤井猛九段なら西は久保利明九段だ。その藤井九段が9月3日の叡王戦9段予選で羽生9段に藤井システムで勝利した。 久々の快挙みたいにツイッター上でも話題になっていた。逆に云えばそれだけ振り飛車党の棋士の活躍がままなら…

面白い相振り

8月31日・叡王戦の予選の一つは田村康介7段vs窪田義行7段の一局だった。先手田村7段は豪快な棋風。後手窪田7段は個性的な振り飛車党。これがみていて面白くならないわけがない。先手3間飛車、後手向い飛車で始まったが、先手の指し方が終始積極的…

詰将棋の解答(8月ブログ分)

8月1日分 *71銀 同玉 82銀 61玉 71金 51玉 62銀 同玉 72金 同玉 73銀打 61玉 71銀成 51玉 62銀成 同玉 61金 まで17手詰 8月2日分 *81銀 83玉 92銀打 同香 75桂 93玉 92銀成 同角 同馬 同玉 62龍 同銀 74…

サエわたる攻めを忍んで

8月30日リコー杯女流王座戦本戦トーナメント(準決勝)・岩根忍女流3段vs伊藤沙恵女流3段の一戦がおこなわれた。 相手が振り飛車党なら好んで相振りにすることが多いのが伊藤さんだ。上図は1筋を突き捨ててから34手目25桂と上がった局面だ。ここ…

果たして相振りと云えるのか

8月29日の叡王戦(9段)予選。 10時からの対局で久保9段vs桐山9段戦をニコ動が解説者森内9段、アベマTVが藤森5段ほかだったので、2台のパソコンで開いて観戦した。 先手久保9段は56歩から中飛車にしたが、後手桐山9段が32飛と応戦した…

女王の居飛穴退治

8月28日は第9期リコー杯女流王座戦本戦トーナメント(準決勝戦)のネット中継があり西山朋佳女王vs加藤桃子女流3段の一戦だった。戦型は先手西山女王の55歩位取り中飛車に対して後手加藤女流3段が超速銀で対抗した。 互いに2枚銀の捌きや交換後の…

チョッとビックリ(叡王戦)

8月26日叡王戦・8段予選でのことだ。 杉本8段vs野月8段戦を少し遅れてネットを開いたところ、振り飛車戦になっていたのは良いのだが、先手杉本8段が居飛車で後手野月8段が3間飛車だった。これは対局者が先後逆ではないかと一瞬思ったぐらいだ。す…

九G例会(8月25日)

出席者は石川、太田、倉掛、坂田、酒井、千々岩、永安、堀切、広瀬、吉松、八尋の計11人。 午後3時ころまでは課題作品の検討など各人、思い思いの時を過ごす。課題作品は4作しか集まらなかったがそれがそのまま9G作品展にパスする予定。私も囲い図式を…

NHK杯の久保九段

8月25日は久保九段vs藤井七段戦が放映された。 後手久保九段の四間飛車で始まったが駒組の頂点あたりで千日手となった。指し直し局は先手久保九段のやはり四間飛車だった。中盤あたりは双方指せると思わせる展開だったがさらに終盤はどちらが良いのやら…

変形金無双

叡王戦(8月20日)と清麗戦(8月24日)の対戦で里見5冠が披露した相振り飛車戦における趣向をこらした金無双の囲い方だが下段に飛車をおろされると「詰めろ」がかかりやすいなどの欠点があるのではないだろうか。藤井猛9段が金無双のことを「文鎮囲…

清麗戦第2局

第2局は8月24日鹿児島県指宿市で開催された。 先手里見5冠は56歩から中飛車を目指したところ、後手はすかさず32飛と振った。こうでなくてはね。この二人で相振りにならないのがおかしいところだ。相振りの中飛車は指しにくいので、ほどなく88飛と…

叡王戦に相振り登場

8月19日に開催された4段予選の午後2時からの対局が相振りとなった。先手・里見女流5冠vs古森悠太4段である。 古森4段は私が大阪へ行くとき時折訪問している「関西駒の会」のお世話をされている方の御子息である。彼が3段時代に「駒の会」の例会に…

佐々木大地五段

振り飛車党なのでこのブログで居飛車の将棋を取り上げたことは一度もない。しかし、何事にも例外はある。8月17日アベマTVで佐々木5段(同郷の長崎県出身)が登場する竜王戦昇級決定の一番があったのでなにげなく見ていた。上図にあるように17手目の…

棋理

プロにはなれなかったが三段リーグに7期在籍した石川泰さんがYoutubeで個人チャンネルを開設され、将棋情報を発信されている。 最近の一例が「元奨三段が語る三段リーグ」である。 まず前提として東西に三段は40人ぐらいいて、すべてリーグ戦で当…

三間飛車

8月16日(金)の朝日杯は高崎6段が登場し10時より田中9段と対戦した。後手番となった高崎6段は3間に飛車を振った。33手目に先手は55銀と相手の44銀にぶっつけて銀交換を迫った。その後、本格的な戦いとなり後手は少しずつポイントを稼ぎつつ…

朝日杯の日

アベマTVでは画面下に「木・金は朝日杯の日!」というキャッチフレーズが貼ってある。5,6人の中継なら一人ぐらいは振り飛車をしてくれるだろうとの期待がふくらむものだ。そして期待にたがわず戸辺7段vs青野9段戦が3間飛車となった。 76歩から7…

「AI」の世界 2

Com対プロ棋士の5vs5対決の最後の対戦が2015年だった(延べ3回開催された)。一方、Com同士の将棋選手権は毎年開催され、新しいソフトが優勝するなど進化を続けている。プロ棋界がComとの共存という道を選択したのか若手棋士を中心にそれ…