ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

2021-01-01から1年間の記事一覧

加古川青流戦より

7月20日に第11期加古川青流戦が行われた。 ベスト16より、先手・冨田誠也4段vs後手・貫島永州3段の一戦が相振りとなった。奨励会3段の人の将棋を観る機会はなかなかない。貫島3段はよく知らないが現在3段リーグの成績は8勝4敗で微妙な位置に…

女流王将戦より

第43期女流王将戦の本戦トーナメントが進行中だ。7月17日に行われた先手・伊藤沙恵女流3段vs後手・石本さくら女流2段の一戦が相振りとなった。 伊藤さんの将棋は相手が振り飛車党だったら相振りにしようとする気配がよく感じられる。本局でも相手が…

西山快進撃

7月16日に行われた朝日杯一次予選が行われ西山朋佳女流3冠が登場した。 1回戦で中座真7段を中飛車で破り、次に黒沢怜生6段と対戦した。黒沢6段が振り飛車党なので自然と相振りとなった。 図は後手黒沢6段が2筋の歩をきり26飛とした手に対して先…

C2順位戦より

7月15日は朝日杯、銀河戦、順位戦などの対局が行われた。順位戦より、先手山本博志4段vs後手近藤正和7段の一戦が相振りとなった。 互いに初手は78飛、32飛といきなり飛車を振り合うまるでアマの将棋のような出だしだ。 途中図は39手目56歩と…

朝日杯一次予選より

7月15日行われた第15回朝日杯予選より、先手窪田義行7段vs後手藤井猛9段の一戦が相振りとなった。出現するときは続くものである。 藤井9段といえば相振り御三家(久保9段・鈴木9段とともに)の一員である。一時はこの3人の相振り棋譜を真剣に収…

久々の相振り

相振りの好局がなかなか出現しないのでブログの更新もままならないでいた。 7月14に第15回朝日杯の一次予選がおこなわれて里見香奈女流4冠は村田智弘7段に勝利して、引き続き安用寺孝功7段と対戦し、これが相振りとなった。 図は先手が安用寺7段で…

詰将棋の解答(6月ブログ分)

6月1日分*53銀 同銀 41角成 同玉 52金 31玉 53馬 22玉 31馬 同玉 42銀 22玉 33銀生 同玉 32金 43玉 42金右 33玉 32銀成 まで19手詰 6月3日分*72銀 51玉 62と 同銀 52龍 同玉 61銀打 42玉 52金 同角 同…

マイナビ女子オープン

第15期マイナビ女子オープンの一斉予選が6月26日に行われた。 午前・午後に通算3回、12局単位で延べ36局行われた。 最終的に12名が本戦トーナメントへの出場が決まった。 私が特に注目したのは36局の戦型分析である。 25局が振り飛車でうち…

今年の順位戦はB2だ!

6月9日順位戦B2の2回戦が一斉に行われた。 このクラスの定員25名のメンバーをあらためて見てみると藤井九段、鈴木九段、戸辺七段など振り飛車党の棋士が八名いる。 8÷25=32%となり、これは他のクラスと比してかなりの割合である。 このほか、…

コロナと将棋界

藤井聡太2冠というスーパースターの出現で活況を呈している将棋界だがコロナの影響をこの2年間等し並に受けた。 まず、全国各地で開催されるタイトル戦の前夜祭や現地大盤解説会が中止に追い込まれることが多くなり、一部解説会はネットでの配信となった。…

女流王位戦第3局

第32期女流王位戦の第3局は福岡県飯塚市で開催された。前夜祭も大盤解説会も中止になったのは残念だった。戦型は先手山根女流2段が向い飛車vs里見女流王位が3間飛車となった。先手が49手目68金と寄ったところで昼食休憩となった。 再開後の先手は…

「無双」「図巧」

文学作品の場合はそうらしいが、そうでなくとも本に名前を付けるのはむずかしいものだ。詰将棋の本も然り。内容を正確に表現している場合、例えば全作品が合駒とか不成とか曲詰とかであれば、それらしいタイトルを付けやすいものだ。しかし、ほとんどが収録…

詰将棋の解答(5月ブログ分)

5月1日*51飛 61銀 72歩 同銀引 同桂成 同金 61飛成 同玉 52銀 同玉 44桂 61玉 52銀 62玉 72馬 同玉 63金 71玉 61銀成 同玉 52桂成 71玉 62成桂 まで23手詰 5月15日*81銀 82玉 74桂 同金 63歩成 55馬 7…

女流王位戦第2局

第2局は5月18日札幌市で開催された。 嬉しいことにまたも相振り飛車となった。 先手里見女流王位の中飛車vs後手山根女流2段の向い飛車で始まった。 途中図は後手42手目35歩で昼食休憩となった。 後手は41飛と展開したがその4筋での飛車先に金…

再びの相振り

マイナビ女子オープン第3局が5月15日に行われた。期待通り相振り飛車となった。相振りを選択してくれた伊藤さんに感謝。玉の囲いも金無双気味で云うことはなし。先手の西山女王は27手目36飛とまわり、以下26歩でポイントを稼いだようだ。途中図は…

熱戦の開幕戦

将棋界の新年度に一番楽しみにしていた第32期女流王位戦が4月27日に開幕した。相振り飛車シリーズになることが本命視されているが、なにより私がそうなることを期待しているところである。 さて、その第1局は先手・山根ことみ女流2段が向い飛車、後手…

詰将棋の解答(4月ブログ分)

4月3日分*63と 同金 81銀 83玉 93金 同銀 73桂成 同金 72銀打 同金 同銀生 同玉 63金 同玉 62金 73玉 71龍 83玉 72龍 まで19手詰 4月7日分*14金 同歩 27桂 同と 16銀 まで5手詰 初手27桂は14玉で不詰。2手目同…

本来の「相振り」らしさ

第14期マイナビ女子オープンの5番勝負第2局が4月21日に開催された。 先手となった伊藤沙恵女流3段は5手目に66歩と止めて裏芸の相振り飛車を目指した。これに対して西山朋佳女流女王は35歩と応じてすんなり3間に振った。第1局では西山さんが相手の相振り…

オンラインでの解答選手権

例年、春先に開催される詰将棋解答選手権が2年連続中止となったところである。 今年は初級・一般戦が本格的にオンライン会場での実施となり先だって「詰将棋解答選手権実行委員会」よりその詳細が公表されたところです。 実施日は2021年4月10日(土…

詰パラ表紙に登場

詰将棋パラダイスの令和3年4月号で自作が表紙に採用された。 気合いを入れて狙っていたので嬉しいことには違いないのだがその真の狙いは別のところにある。その狙いとは採用された時の表紙の言葉にある。 私の詰将棋作家への水先案内人は故・桑原辰雄氏であ…

詰将棋の解答(3月ブログ分)

3月1日*63桂 同金直 61金 同玉 52銀 71玉 72と 同玉 61角 81玉 72銀 91玉 81金 92玉 83銀成 81玉 72角成 91玉 73馬 同金 92銀 まで21手詰 3月3日*81銀 同玉 82馬 同玉 83銀 71玉 63桂打 61玉 72銀…

順位戦における振り飛車の位置

2020年度の順位戦(A級からC2まで)がこの3月に終了した。 3月22日にYoutubeでアップされた「戸辺チャンネル」が興味ある内容でよかった。 順位戦で最も指された振り飛車は、また勝った振り飛車は等のデータであった。このような分析は将…

倉敷藤花戦予選より

2021年3月20日第29期倉敷藤花戦の予選がおこなわれた。 山口稀良莉女流2級vs小野ゆかりアマの一戦。 先手向かい飛車vs後手3間飛車の相振り飛車となった。 相振りはめったにお目にかかれないので貴重な観戦である。 図は後手が36歩 同歩と一本入れてお…

なぜ相振り飛車が好きなのか

指し将棋は振り飛車党である。 とりわけ、相振りが好きだ。 振り飛車は振る位置が4種類ある。 中飛車、四間飛車、3間飛車、向かい飛車である。 相手も振ると、4×4で16種類の組み合わせとなる。 次ぎに、玉の囲い方をみてみると大きく5種類である。 金無双…

女流王位挑戦者決定戦

3月2日、標記の対局が行われた。 伊藤沙恵女流3段vs山根ことみ女流2段の一戦。 戦型は伊藤さんが振り飛車党に対して時折みせる相振り飛車となった。図は40手目後手の山根さんが93銀と上がったところである。 戦いはこれより本格的となった。一時は…

ネット配信将棋(その3)

今回、紹介するのは「将棋女子藤田葵チャンネル」である。 「振り飛車サポートセンター」というコミカル動画でも注目されている。最近、「将棋ウォーズ」で初段になった女性である。 彼女はがんじがらめの振り飛車党という点が気に入っている。 少しでも居飛…

詰将棋の解答(2月ブログ分)

2月2日*52馬 同金 73桂打 72玉 52龍 62金 同龍 同玉 54桂 72玉 82金 同玉 81金 72玉 71金 同玉 81金 72玉 61銀 まで19手詰 2月7日*61角 同金 73金 81玉 82金 同銀 61飛成 92玉 82角成 同玉 72金 83玉…

ネット配信将棋(その2)

前回は藤森将棋を紹介したが今回はイトシンTVだ。 伊藤真吾5段のYoutubeである。 彼はデビュ-時は振り飛車党だった。 棋譜を追いかけて秘かに応援していたがいつの日か、振り飛車を封印してしまった。そのころから私の中で棋譜を気にかけない普通…

村山聖全局集

マイナビより出版されている「村山聖全局集」上・下巻を入手した。 この本は一口に述べると、持病と共に子供のころから生き、17歳で4段になり、A級8段まで昇りつめて29歳で生涯を終えた一人の棋士が残した全棋譜の物語である。 それぞれの本の最初の…

ネット配信将棋

プロのタイトル戦に振り飛車戦がほぼ消滅して久しい。 今や、興味の焦点は比較的振り飛車戦が多い女流将棋とネット配信による将棋に移ってしまった。 最近、特に注目したのは2020・12・12に公開された藤森哲也五段による「負けるまで四間飛車スペシ…