ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

将棋の旅イン関西

森一門会(5月3日)
 
3年ぶりに開催された森信雄一門祝賀会へ行ってきた。当日の午後は16名のプロ棋士による各自3面指しの指導対局が行われ、夕方より祝賀会(出席者数約220人)が始まる。


 会場には私を含め詰パラ関係者7名を発見。これも詰将棋得意の森七段ならではの人のつながりである。森門下のお弟子さんも多いが、関西を中心として谷川会長を筆頭に来賓のプロ棋士もこれまた二桁を数える。まるで関西将棋界のプロ棋士とフアンのつどいの様相を呈していた。

 今年の祝賀会の主役は澤田真吾五段、大石直嗣五段、竹内雄悟四段、千田翔太四段の4人である。参加者に配布された記念扇子に大石五段の名前がない。それは彼が4月22日の対局に勝ち、四段昇段後の勝ち数が100に到達したことにより五段に昇段したが、扇子製作に間に合わなかった模様である。

 祝賀会の内容は4人を始めとした森門下生(奨励会員含む)の紹介、来賓プロ棋士の登壇、公開記念対局2局(山崎七段vs竹内四段、糸谷六段vs千田四段)、お楽しみ抽選会ありと二時間余があっという間に過ぎ去った。


 最後に主役の4人にあらかじめ12の質問をしたペーパーが配られていたので、その中より将棋に関連のある項目で且つ新四段となった竹内・千田さんの分を紹介してみたい。(下の写真は指導対局をする新四段2人)


 <自分の長所と短所>
竹内;長所は創造力があるが短所は物事の好き嫌いが激しい。
千田:長所は思ったことをそのまま言うところで短所は正直すぎるところ、一言多い。

 <大切にしているもの>
竹内;自由。
千田:将棋を楽しむ心。

 <森一門の良いところ悪いところ>
竹内;良いところは個性的。悪いところはやや協調性に欠ける?
千田:兄弟子の多さ、個性的な将棋の宝庫。

 <コンピユーター将棋と対戦すると?>
竹内;勝つ自信はある(入玉できそう)
千田:感想戦の楽しさが半減します。

 <自分の将棋を一言で言うと>
竹内;楽しめる方を選ぶ将棋。
千田:今泉さんの評によると、「変態的な受け将棋」らしいです。

 <歴代で強いと思う棋士、対戦したい棋士
竹内;強い棋士=大山先生 対戦したい棋士=大山先生
千田:強い棋士=升田先生 対戦したい棋士=升田先生


将棋ペンクラブ関西交流会(5月4日) 

将棋ペンクラブの交流会は例年、東京と大阪で5月に開催されている。過去に、どちらも参加した経験があるのだが数年ぶりに関西交流会へ参加した。4日午後、参加人数は14名。世話人でもある将棋普及指導員の伊藤章一氏より本日の例会の説明があり、次に東京より来られたペンクラブ機関紙編集室の湯川氏よりペンクラブの現況などの報告が行われた。

 参加者同士でフリー対局や全員でリレー将棋をおこなう傍ら、LPSA女流棋士・鹿野圭生さんの指導対局など半日、将棋を楽しみ、夕方ほぼ全員参加の懇親会にて交流を深めた。


 写真は参加賞品としていただいた将棋関連図書3冊でいつも詰棋書は狙い目だが、異色の本が「駒袋」という表題の将棋詩集である。著者は高橋冨美子さん。正直、この本が13年前に出版されていたとは知らなかった。将棋関連用語をテーマに詩編が編まれている。その中から3点ほど紹介したい。

      <振り駒>
 掌のなかではげしくぶつかりとびだした
 宙に散った駒が描く五つの初々しい放物線
 純白の布に身をしずめる歩と
 畳の上にこぼれると金と

       <銀>
 ひらり桝目を舞う銀が読みの網をかいくぐる
 もう後へは引かない 

       <詰将棋
 捨て去ること
 あなたがくれたヒントはたったひとつ
 そのひとこと信じてたたいてみる
 たたいてもたたいても開かない扉
 くりかえし たたきつづけて痛いこぶし
 たどれそうでたどれない道筋
 近いようで遠い距離
 ひきずるもの たちきろうと馬いちまい切って捨てれば
 いっせいに動きはじめる駒
 からんだ糸するするとけて
 あらわれたからくりに秘められたあなたの意図
 初めての海 まぶしい朝


詰備会(5月5日) 

岡山県下にある詰将棋の会合サークル詰備会は九G(九州詰将棋グループ)と同じく年二回開催で今回は10周年記念且つ例会20回目を数える。これはお祝いに駆け付けねばならないと私は曲詰「初型10」を創作して参加した。

 参加者数が15名で最近ではまれに見る多さではなかろうか。詰パラの各学校現役担当者に、前担当者、元担当者と続き、看寿賞作家にアマ準名人と実に多士済々のメンバーが集結した。

 課題作品などをみんなで検討しあってはこの作は最終手余詰があるからマイナスだとか実にマニアックな会話が飛び交う。また、各人が知りうる詰将棋界の裏情報の披歴、建設的な詰将棋界への意見交換など午後のひと時は2次会の懇親会の席まで尽きることなく話しは弾んだ。