ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

竜王戦長崎対局を終えて

前夜祭
 10月13日、対局会場となる長崎市の紅葉亭で午後6時半より開催された。100名近く集まった。会費が6000円と、ホテルの格からいって、少し心配したが長崎しっぽく料理のアレンジ風で質・量とも満足していただけたのではないかと思う。参加プロ棋士は渡辺竜王と羽生名人の両対局者に加えて、谷川九段(立会人)・深浦九段(大盤解説)それから事前に来崎の情報をつかんでなかった青野九段、三浦八段、上田女流の方々でした。後の三方とは名刺交換した。三浦八段は詰パラはいつも解いていますよとおっしゃって、私の名刺の詰将棋を真剣に解き始められた。お話をして、真面目な人柄が伝わってきた。プロ棋士には将棋世界が無料で配られるそうだが、こうやって詰パラを身銭を切って購入していただけることはありがたいことである。時間が経過して、主役の二人が退室された後に、谷川、深浦両九段による明日の戦型予想としてのトークが15分ほどあった。先後が決まってないが、後手が作戦の選択権を有することとなり、振飛車はないだろうということで二人の見解は一致した。余談で谷川九段が実は新婚旅行で長崎に来て、このホテルに宿泊したことを披露された。私は初耳であるが、過去何かの機会にお話されたことがあるのかもしれない。奥様の希望でそうされたのか、それ以上のことは聞けなかった。午後8時半ころに、散会。
大盤解説会1日目 
 午後1時50分、ホテル会場へ。午後2時解説会の会場へ深浦九段登場。場内は指し手の動きが少ない初日というわけでもなかろうが、入場者が40人弱と少なく感じる。
なぜか、解説の聞き手がいない。もう一人、女流プロでも連れてくれば良かったのではないかと思った。深浦九段が孤軍奮闘約一時間にわたり、解説した。振り飛車党の私は居飛車の将棋は正直言って良く分からない。分からないだけに、プロが身近に話してくれる内容が逆に新鮮に入ってくるから不思議だ。たとえば、初手7六歩に対して3四歩と指すことが多い。8四歩と応じる展開だと先手側の勝率が高い。これをプロ間では「二手目問題」というとのこと。横歩取り8五飛戦法に戦型は落ち着いたが、横歩取りの将棋は一手一手の価値が重く、100手以内で終わることが多い。玉の囲いとの関連では中原囲いが主流であったが、一旦5二玉と上がる松尾流が出てきたこと。先手が16歩と着いた途端、これはもう積極的に攻めていくことになると。序盤に端でも突いておくという考えとちがうこと(実際、解説通りに進む)に驚く。2時45分「次の一手」を出題されて、3時に谷川九段と交代。やはり、お一人で一時間解説。次の一手は常識的な問題で正解者多数。正解者全員に賞品ありと主催者側の説明。谷川九段が次の一手の説明と正解者名を読み上げる。私も、記念扇子を頂戴した。
 午後4時からBS放送のリハーサルが解説会場で行われた。BSは午前9時の分が国会中継で流れたため、午後5時予定が本日初めてとのこと。BS解説担当の三浦八段と上田女流が壇上へ。慣れたこととはいえ、NHKスタッフがてきぱきと仕切る。約15分でリハーサルは終了。
大盤解説会2日目
午後からの解説会に参加すべく、PM1時にホテル到着。午前中は11時過ぎから、三浦八段から深浦九段のリレーで1時間ほど、解説会があったとのこと。お客さんの入りは昨日とは違って80人ほどはいる。2時谷川九段と上田女流が登場。昨日とは違って、上田女流が聞き役を務める。やはり、こうでなくてはいけないだろう。2時55分。次の一手を出題。この頃、来場者は増えて120人ぐらいに膨れ上がる。3時20分、深浦九段に交代。次の一手の正解者に賞品の渡し役を行いながら、一人で4時まで大盤解説をされた。4時からBSのリハーサルが20分ほど、行われる。国会中継の絡みで5時からすんなりBS放送ができるか不明なりとNHK側の説明。やはり、おくれて、5時25分スタート。BS生放送を現場で初めて見る体験をした。BSの6時までの放送時間中に、終わりそうな勢いで、指し手の進行が続いた。この勢いで熱戦は続くと思われたが、BS終了後、ほどなくしてあっけなく羽生さんが投了してゲームセット。場内、一瞬何が起きたのか分からないほどのどよめきが起こった。これからの番勝負を暗示するような波乱の幕切れとなったと感じました。東京から詰パラ表紙担当のT氏が会場に来ていたので、終わって、二人で打ち上げの宴会をおこない、しばし詰将棋談議に興じた。
本日の詰将棋:3手詰