ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

静岡〜東京〜倉敷

11月12日・女流王座戦(第2局)前夜祭

 一躍、時の人となった感がある西山朋佳奨励会二段。人には人生のターニングポイントというべき時が訪れるものだ。それはときおり、その道において大ブレークとなったりする。8月30日のブログで記したように、急きょフアンになった思いのある私であるが、本人に会ってみたくなり、静岡まで出かけた。前夜祭会場にはさすがに知った人がいなかったが、本人にだけはしっかり挨拶した。「あなたの振り飛車の将棋が好きで、九州から応援に来ました」と。



11月13日・女流王座戦(第2局)大盤解説

 解説会場となったのは前夜祭もおこなわれた「浮月楼」。解説を務めたプロ棋士は中尾敏之五段、室谷由紀女流初段をメインに、その後、渡辺明2冠、近藤正和六段、青野照市九段、矢内理絵子女流五段などが登場した。白熱の攻防戦だったが結果的に西山さんは敗れた。彼女は早指しで奨励会の持ち時間90分でも時間を余して対局することも多いそうだ。それがこのタイトル戦では持ち時間が3時間。時間の使い方とタイトル戦の独特の雰囲気などまだ場慣れがしていないのではないだろうか。奨励会では格上の彼女、第3局以降に捲土重来を期待したい。



11月16日・JT杯決勝戦
 今回、東京会場へ初めて行った。新橋から「ゆりかもめ」に乗って国際展示場前駅にある「東京ビッグサイト」。まず、その会場の文字通りの大きさに度肝を抜かれる。プロ対局が始まったのが午後5時。九州などの会場と比較すると2時間遅れ。それはこども大会の影響大。進行に問題があるのではなくて、こどもだけの参加者が3200人であるから、納得の一言。運営責任者は毎年、一般参加者を含めて、1万人を目標にしているというから、スケールが大き過ぎます。人が多すぎて、後方の席からは「舞台あり、遠方よりよく見えず」という状態。後方の人のためにスクリーンが必要ではないかと思うくらいだ。とにかく人に酔ってしまいそうで、大都会のイベントのありように、ひたすら驚きの連続でありました。



11月17日・新宿将棋センターで指導対局
 17日午後に新宿将棋センターを訪問。上村亘四段が指導将棋をされていた。プロから指導を受ける機会にはなかなか恵まれないので、教えてもらうことにした。飛香落ちで挑戦した。

途中図から下手(60手目)は以下のように攻めた。

74飛 73歩     54飛 同銀     42角成 56歩    75銀 77角成 
64歩 57歩成    同金  56歩    同金  78飛     63金 同銀引
同歩成 同銀      64歩 54銀    53馬 82玉     54馬 61金
63歩成 67馬    73と 同桂     81金 92玉     93銀 同玉
82銀 92玉     91金  まで94手で下手の勝。

*74手目下手の63金に対して82玉とかわされていたら、62金が詰めろではないので、58歩などといったん受けにも廻る手が出てきておおいに紛れるところである。上村四段はそれでも下手が余しているようだと言っていただいたが、実戦心理面からしてあまり自信はなかった。 



11月18日・今泉健司アマプロ編入試験・大盤解説

 東竜門主催で東京将棋会館において開催された。今泉さんの第3局の相手は三枚堂達也四段である。
東竜門は関西で云うところの西遊棋である。このような若手棋士の活動は将棋フアンのサービス向上などにつながって大変良いことだと思う。
出演棋士戸辺誠六段、佐々木勇気五段、門倉啓太四段、熊倉紫野女流初段である。途中、広瀬章人八段、村山慈明七段、永瀬拓矢六段も飛び入り参加した。
 次の一手が2回実施されるなどプロタイトル戦並みの解説会となった。特に、戸辺六段と門倉四段が振り飛車党のためか、解説の内容そのものも分かりやすかった。それになんといっても、将棋の内容そのものが終始、見応えのある内容豊富な一戦でした。残念ながら、今泉アマは新進若手四段を三たてというわけにはいかなかったが、次の第四局目の相手は石井健太郎四段(12月8日東京将棋会館)。次回のニコニコ動画の中継では解説が門倉四段・聞き手が熊倉女流初段が担当するとのPRが最後にありました。



11月22日・倉敷藤花戦(第2局)公開対局

公開対局会場となる倉敷市芸文館に隣接する建物に大山名人記念館がありました。芸文館の開場まで時間があったのでさっそく記念館に入ってみました。写真や将棋関連図書などが多く、そのほか故人をしのぶ記念・思い出の品などが陳列されていた。奥に畳の部屋があり、そこで将棋を指してる人がいたので受付の人に聞いてみたら連盟の倉敷支部の部室としても活用されているとのことであった。入館料が無料ということがなによりであった。

 本タイトル戦は持ち時間が各2時間で昼食休憩後の再開時から倉敷文芸館のホールにて公開対局となる手順である。したがって、午後3時過ぎには両対局者とも持ち時間がなくなり1分将棋となる。このホールとは違う別室では有吉九段と高群女流三段による大盤解説会が同時進行で行われた。

 東京から帰りがけの駄賃とばかりにこの倉敷に立ち寄ったのは甲斐倉敷藤花振り飛車の将棋が見たかったからです。ところがどうでしょう、飛車を振ってくれませんでした。私は智美さんから振られたみたいでがっかりしました。おまけに負けてしまいましたが、将棋自体の終盤は面白かったのでよしといたしましょう。

 ところで、公開対局が始まる前に倉敷市長や谷川会長の挨拶があったのですが、そのなかで谷川会長が来年の「将棋の日」のイベント場所(今年は秋田県でありました)を倉敷で行い、この倉敷藤花戦にあわせる(開催日時を近くか)ことにするという発表がなされました。来年の倉敷はおおいに盛り上がることでしょう。なお、この対局で使用された駒は「関西駒の会」の会員の製作による盛り上げ駒でした。