ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

倉敷藤花戦

 第23期大山名人杯倉敷藤花戦第2局が倉敷市芸文館ホールで午後から公開対局された。
対局そのものは午前10時より開始されているが、昼休み休憩後の再開が公開対局となった。
また、芸文館別室では有吉九段による大盤解説(聞き手は熊倉紫野女流初段)が同時開催されており、身体二つあったらどちらにも顔を出したいところだが、公開対局の方がやはりめずらしいので私は最後までこちらにいた。

 女流の将棋は振り飛車戦が多い点が気に入っている。
両者が振り飛車党の場合、妙に牽制しあって思わぬ序盤が展開されることがまれにある。
この二人は相振りも平気で指すので、そのようなことにはならないと見ていたが本局は里見さんがすんなり振り飛車を相手に譲った形となった。

さて、将棋のほうは中盤で1筋のあやを残しつつ、7筋の攻防に見どころがある。
後手、12歩とあやまった後、先手の指し方が難しいとみていたが、55歩〜64歩と先手は手を作っていく。
細かい攻めをつなぎながら、後手玉に必死に迫っていく。
終盤は互いに「詰むや詰まざるや」の応酬となり、詰将棋好きにはたまらない寄せ合い(特に、互いの玉が3段目以内に接近すると詰将棋でいう双玉的雰囲気もでたりする)で実に面白かった。
最後は先手の攻めを切らして、里見さんがタイトルを奪取した。

終局直後の里見さんのコメント:序盤は指しやすいと思っていたが、中盤以降苦しくしてしまった将棋だった。

甲斐 vs 里見.kif 直

[]

[]