ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

週刊将棋の「詰将棋の解き方」

 週刊将棋にアマ強豪の美馬和夫さんによる「効果バツグン実戦手筋」という連載コラムがある。
その7月2日号のタイトルが「第26回 詰将棋の解き方」である。


 冒頭、詰将棋ロータリーの作品を全部解くのにどのくらい時間がかかるかというテーマでアマ強豪たちが電車内で解いてしまうということなのだが、詰将棋を解く速さと電車のスピードが競い合っている感じがする。そういう環境におくと、人は集中力が増すという事例なのであろう。


 次に、彼自身の終盤力が付く詰将棋の練習法が述べられている。
まず、傍らに対局時計をおいて、
1 切れ負けの練習ならば、5分切れ負けにする。
2 秒読みの練習ならば30秒にセットする。
 そして、駒の配置を盤に並べ、集中力を高めて時計を押すそうである。

 さて、前者の5分切れ負けは我々も時折するタイムトライアル風に作品を解く行為である。盤駒時計を使うというのが指し将棋の人らしいが、詰キストの多くは図面をながめて考えるものである(懸賞問題など時間がない時は盤駒使って解いていることはある)。


 後者は時間が迫れば読みきれなくても初手を指し、相手の応手は一番いやな手を選びこれを繰り返す。明らかに詰まない形になったら、配置を戻し、また時計を押すそうである。ここでいう相手の応手は作意の応手であれ、変化の応手であれ、これが本当に読みの訓練になっているのかしらという感じがする。詰キストはこういうことはしない。なんとなく、盤駒使って、ああでもない、こうでもないと創作している感じに近い。


 コラムの最後に「最近は同様の機能を持つ詰将棋アプリがあり重宝している」とある。ここの部分がちょっぴり、気になる。このことが詰キストの仲間内で話題になったことは一度もない。さて、詰将棋の解き方はいろんな解き方があってもよいと思うが、解図力のアップのためにはひたすら図面をにらんで解いたほうがよいし、詰将棋創作のためには盤駒使って作ったほうがよいと私自身は思っている。


本日の詰将棋:27手詰