ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

類似作かもしれないが・・・

詰将棋解答選手権(初級・一般戦)が無事終了して、ここ2,3日ゆったりしていた。
詰将棋の解図のトレーニングでもしようかと、中田章道七段の近著「逆転の5手詰」をタイムトライアル風に解いていたら、第192番で手が止まったというより一瞬図面にクギ付けになってしまった。


両題とも、作意は26角、同と、16歩、同と、25龍までの5手詰である。

これらの作品のテーマは初型打ち歩詰の形をいかに解消するかにかかっているのだが、もう一つは移動合の妙手という詰将棋独特の手筋を知ることにもある。

それは行き掛けの駄賃とばかりに角を遠くから、例えば37角と打つと26との移動合が待っている。

前者では26とに対して同角は同馬で16歩と打てるのだが馬のため、25龍と行けず不詰となる。
後者は26との段階で永遠の打ち歩詰ということになる。

作品作りの使用駒は共に10枚であるが、後者が23と、13銀あたりの影響で若干構図が重く感じられる。

先に述べたように、37角の紛れへの対応の仕方にそれぞれ味があることが救いかもしれない。
そんなにめくじらを立てる必要もなさそうだが、とかく短編の世界は難しいものである。