ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

詰将棋解答の書き方ABC

 今年の詰将棋解答選手権は無事終了し、福岡春日会場での初級および一般戦は4月9日に23名の参加者を得たことは、4月10日付けの本ブログでも紹介したところである。

 
 詰将棋解答の書き方について、「詰将棋解答選手権速報ブログ」および「実施本部」とのあいだでちょっとした論議が持ち上がった。
 ことの発端はこの春日会場の答案(一般戦の5番)での解答表記の誤認判定である。

 まず、本部の採点基本方針として「明らかに誤記と推測できる解答は甘く採点して○にしてあげてください」とあり、次に各問題ごとに具体的な採点基準が続く。
 そして、春日会場の採点は私一人で行い、首尾一貫した方針(2,3人で分担したものでない)で行えたものと判断している。


さて、問題の作品は次の図面である。

解答は56飛 同桂右 29角 48桂成 56飛 同桂 48香 同桂成 58桂 同成桂 35馬 同歩 47金 まで13手詰。

俎上に載った論議は2点あった。
まず、3手目は29角が正解なのだが、誤記したと思われる39角を後の手順が合っていたので正解とした処理である。これは本部の基本方針に従っての処理であり、本部の方でもこれを正しい判定として認めていただいた。


次に、初手56飛に対して、同桂右が正解なのだが、同桂左は早詰が生じるので明らかに間違いだが、「同桂」と書いた場合をどうするかが私にとって悩ましかった。
確かに、本部の採点方針では単に「同桂」は×にせよと指示があった。
「同桂」で後の手順が合っていたので、これを×にしてしまうのは、あまりにも酷だと私は判断して1点の減点処理をした(一般戦には4手一組の部分点があり、これを逆手にとった)。
しかしながら、この処理は本部より<他の会場では×処理しており、統一したい>との判断にしたがうこととした。


 ところで、この作品で次のように書いた答案があった。
2手目を「同桂左」と書いて、その傍らに「図面に向かって左の桂が動いた意味です」とあった。
これを見て、なるほど詰将棋の解答の書き方になじんでいない人はいるものだと率直に思った。


詰将棋解答の書き方ABC

 詰将棋解答の書き方に特別のルールがあるわけではなく、全く指し将棋に準じているのである。
すなわち、指し将棋の駒の配置や移動の呼び方・書き方と詰将棋のそれは何ら変わりはないのである。

A:詰将棋における攻め方は指し将棋の先手、玉方の応手は指し将棋の後手と考えればよい。

B:指し将棋の棋譜採りや棋譜並べの習慣をできるだけ身に着けることが役に立つ。

C:詰将棋解答の表記は懸賞詰将棋詰パラ雑誌の解答では厳格に判断されて×になることを心しておいた方が良い。(初級戦・一般戦の解答選手権ではなぜ甘く採点する場合があるかというと、書き方ひとつで詰将棋がイヤになってしまわれると、このイベントの主旨がヤブヘビになりかねないことをさけているからでもある。)