相振りの棋譜並べをしていると時折、目の覚めるような寄せに遭遇することがある。そういった実戦の一つが升田幸三vs塚田正夫の一戦だ。図は55手目21飛と下ろしたところ。ここから後手の一連の着手が先手の4枚美濃を粉砕してしまう。
▽45桂 ▲48銀 ▽56銀 ▲同金 ▽47歩 ▲59銀 ▽同飛成 ▲同金 ▽46角 ▲同金 ▽37銀 以下後手勝ち。
将棋を指しているときの終盤の寄せ合いでこれはものになる(詰将棋になりそう)と思える時がある。多分それと同じ感覚がこういった局面では必要なのだろう。すなわち、<これはつぶれている>と思える感覚が瞬時に浮かぶかどうかが指し将棋における実力の一端なのかもしれない。
今回の詰将棋は27手詰。