1 短編詰将棋の位置づけ
二十歳ぐらいまでは一歳の年齢差がとても大きい。学びの学年差を考えると明白だ。
長編の詰将棋では31手も39手も表現できる内容に大差はないが、3手から9手の一桁になると、俄然趣が違う。
俳句や短歌の世界だと云ってしまえば語弊があるが、少なくとも形式的にはそれに近い。
第60期王座戦第4局のニコニコ動画の中継での大盤解説会に登場した浦野真彦八段が自著の詰将棋ハンドブックシリーズの宣伝を兼ねて、初心者のための詰将棋への関わり方(好きになるきっかけ作り)を巧みに説いている。
ところで、この王座戦は将棋大賞における第7回名局賞をとったベスト1(プレイバック2012)棋譜(千日手局)でもある。局面がほとんど動かなかった時間帯とはいえ、本来の大盤解説はどこかに追いやられてしまった浦野ワールドである。
浦野八段の話しの要点:詰将棋は好きでない人が多いがそれはなぜか。最初から難しいものを考えすぎるからである。スタートは3手詰や5手詰がよく、解ける問題をやった方が良い。ややこしい問題ではなくクリアーな問題が良い。すなわち、解く人がクリアーな気分で解けるのが良い。盤面で言えば、中段玉や入玉形(詰将棋を純粋に解いて楽しむということならいいが)ではなくて、上段に配置があり、しかも使用駒が10枚以内がベストである。我々プロ棋士だって、時間が短い対局(銀河戦やNHK杯など)の前には野球でいえば、キャッチボール、広くスポーツで云えば準備体操的意味合いで短い簡単な詰将棋を解きたい(将棋モードにするため)気分になるものである。
3 本日の詰将棋:17手詰
短編詰将棋の記事を書いて17手詰とは恐縮だが、私が好きな相振り飛車の実戦をヒントに創作した作品です。実戦に役立つと思うので是非考えてみてください。