ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

九G例会(8月25日)

出席者は石川、太田、倉掛、坂田、酒井、千々岩、永安、堀切、広瀬、吉松、八尋の計11人。

 午後3時ころまでは課題作品の検討など各人、思い思いの時を過ごす。課題作品は4作しか集まらなかったがそれがそのまま9G作品展にパスする予定。私も囲い図式を金無双で作りあげた。

 午後3時より、まず4月に行われた詰将棋解答選手権の決算報告などが酒井氏よりなされた。

 次に、八尋氏より詰将棋全国大会が来年は九州で開催されることが正式に発表された。まず、開催日だが来年は東京オリンピックの年でもあり、諸般の事情を鑑み7月開催が好ましくないということでみんなの総意で9月21日となった。この日は前後4連休でありその3日目の月曜日にあたる。例年9月には小倉で北九州将棋フエステイバルの開催が期待できる(あるならその土日だろうとの予測)ことも決定の理由となった。なお、日程を先に決定したためホテル等に不具合が生じて日程の変更を余儀なくされた時はこのブログでその旨公表することにする。役割分担など大まかな取り決めは話し合いをしておおまか合意したが今回はほんのたたき台にすぎない。本格的な取り決めは年明け時の例会時から始めることになる。本日の例会に出席をいただいた吉松氏には適切な助言などをいただき、この場を借りて感謝申し上げたい。

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 次回開催日は2020年1月11日(土)

課題テーマは「合駒が大駒」

2次会は11人全員で博多駅近くの居酒屋で行いました。

今回の詰将棋は15手詰。

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NHK杯の久保九段

8月25日は久保九段vs藤井七段戦が放映された。

後手久保九段の四間飛車で始まったが駒組の頂点あたりで千日手となった。指し直し局は先手久保九段のやはり四間飛車だった。中盤あたりは双方指せると思わせる展開だったがさらに終盤はどちらが良いのやら難しく感じた。とくに、後手に88飛成と成りこまれたあたりから先手は受けに終始した。先手勝利(137手)の大駒のポイントは角打ちを決め手に相手陣営に迫りつつ、66飛が敵陣へ成りこむことなく最後まで受けに役立っていたことが印象に残る。

今回の詰将棋は23手詰。

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変形金無双

 叡王戦(8月20日)と清麗戦(8月24日)の対戦で里見5冠が披露した相振り飛車戦における趣向をこらした金無双の囲い方だが下段に飛車をおろされると「詰めろ」がかかりやすいなどの欠点があるのではないだろうか。藤井猛9段が金無双のことを「文鎮囲い」などと表現されたことがあるが、その文鎮が2つに折れたようにも感じる(実際の文鎮はそう簡単に折れないが)。

 さっそく、この囲い方で作ってみた。

今回の詰将棋は23手詰。

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清麗戦第2局

 第2局は8月24日鹿児島県指宿市で開催された。

先手里見5冠は56歩から中飛車を目指したところ、後手はすかさず32飛と振った。こうでなくてはね。この二人で相振りにならないのがおかしいところだ。相振りの中飛車は指しにくいので、ほどなく88飛と向い飛車に振り直した。無難な対応である。問題は金無双の囲い方だ。後手はよくある金無双。里見さんは8月19日の叡王戦の古森4段との一戦で68金・58金型にしたところだが、本局でもそれを採用した。なにか深い研究をしているのだろうか。2局続けて気まぐれで指せるものではないからだ。68に金がいるので銀で割り打ちを避けるために58に金があがった。と解説があったが、そんな一時的な理由でいいのだろうか。

 さて、将棋の内容のほうは双方で金無双の囲いはバラバラになった。71手目先手に56角の好手がでて後手は23角で対応したが角の働きがそのまま将棋の勢いの差に出てしまったようで99手で先手が勝利した。

今回の詰将棋は17手詰。

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叡王戦に相振り登場

8月19日に開催された4段予選の午後2時からの対局が相振りとなった。先手・里見女流5冠vs古森悠太4段である。

 古森4段は私が大阪へ行くとき時折訪問している「関西駒の会」のお世話をされている方の御子息である。彼が3段時代に「駒の会」の例会に指導対局で来場されたことがあり、私も一局を飛香落で教わった経験がある。当時、三段リーグではどんな将棋を指されているのか分からなかったが、晴れて四段になられた時、振り飛車党であることが判明しこれは本格的に応援しなくてはと、思いを新たにしたものである。

 さて将棋のほうは互いに囲いが金無双と思いきや、先手のそれが一路左による趣向をみせたものの90手で後手が勝利した。

なお、勝った古森4段は午後7時より池永大志4段と対戦した。

古森4段の先手中飛車居飛車の対抗型となった。昔ながらの古風なツノ銀中飛車の指し回しで勝利し4段ブロックの準決勝進出となった。

今回の詰将棋は23手詰。

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佐々木大地五段

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   振り飛車党なのでこのブログで居飛車の将棋を取り上げたことは一度もない。しかし、何事にも例外はある。8月17日アベマTVで佐々木5段(同郷の長崎県出身)が登場する竜王戦昇級決定の一番があったのでなにげなく見ていた。上図にあるように17手目の35歩に少々驚いたのである。振り飛車序盤の角は角道を開けるも開けないも自由なら、角交換の機会があるならそれをするしないも自由なのである。上図は後手の34歩を着手しがたくしてこれではまるで角落ちではないかと思った。実戦でも46手目に14歩とついて角の転用を図ったぐらいである。勝負は81手で佐々木5段が勝ったが、この35歩は私が無知なだけで、時折ある指し方かもしれない。

 ところで、佐々木5段のミニドキュメンタリー番組が8月24日にテレビ東京で放送される(実はこれを紹介したかったこともある)。放映後に同局HPにアクセスすると視聴できる。

https://www.tv-tokyo.co.jp/ikiru/index.html

今回の詰将棋は23手詰。

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棋理

 プロにはなれなかったが三段リーグに7期在籍した石川泰さんがYoutubeで個人チャンネルを開設され、将棋情報を発信されている。

 最近の一例が「元奨三段が語る三段リーグ」である。

まず前提として東西に三段は40人ぐらいいて、すべてリーグ戦で当たるわけではないがお互いのことは知り尽くしている。

印象に残った話しが2点ある。

一つは標題にも使った「棋理」という言葉である。

棋理とは将棋の原理とか理論のことである。プロ棋士の将棋は棋理に沿った手を指す。すなわち、将棋の理論的に正しい手を積み重ねていくというのだ。この言葉を初めて知った。いままでは「棋風」という大ざっぱな言葉で片づけていたような気もする。

もう一つは三段リーグでの戦い方である。

 三段になる人は得意のパターンに入ったらみんな物凄い力を持っていて、プロの上位の人にも一発入れるくらいの怪力を持っているというのだ。したがって、自分の良いところを通すというよりも相手の良いところを出させない戦い方をする。すなわち、相手の長所を殺すような指し方をするのが三段リーグである。このことは以前より感じてはいたが体験者より聞くとそのリアルさが増す。振り飛車を主体に三段リーグを抜けて棋士になった人になんだか急に尊敬の念が湧いてきた。

今回の詰将棋は17手詰

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