ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

王位戦福岡対局

 第28期王位戦第2局が7月25・26日にホテル日航福岡で開催された。前夜祭と対局2日目の大盤解説会はJR九州ホールで行われた。


Comが見向きもしない振り飛車戦法というものをそれなら人間が究めんとして研鑽を積み重ねるプロ棋士には少なからず敬愛の情すらわいてくるものだ。
その双璧が久保利明王将と菅井竜也七段である。
 プロは20代までにひのき舞台に登場しないと大成しないものだ。その菅井七段のタイトル初挑戦である。7月24日、JR九州ホールで開催された前夜祭。
これまでこの種の前夜祭には数多く出席した経験を持つ私だがこの日、この時ほどどんなに待ち望んでいたことかという、万感の思いで彼を迎えた。
 岡山からは彼の後援会「竜棋会」が藤原会長以下7名ほど来場されていた。私も入会している「竜棋会」は百名を超える。ほとんどが岡山県下の将棋フアンであり彼らは純粋に「郷里の菅井」を応援しているのだろうが、私は「振り飛車の菅井」として熱き声援を送っている。応援の仕方に温度差があるというよりも、単なる動機の違いなのだろう。自然に彼らと同じテーブルになった。そして、やがて菅井七段の初挑戦を祝いつつ明日からの対局での健闘を祈る場と化し、近時まれにみる充実したひと時を過ごすことができた。


 26日は午後3時から大盤解説会が開催された。
 お昼頃、携帯のモバイル中継をみていたら、客観的にも振り飛車が指せる局面で、プロのコメントも先手菅井良し。
これは夕方までには終局を迎えるのではないかと思いながら会場入りした。解説が始まってほどなくして150名をこえるフアンが集まった。前夜祭を上回る人数の盛況さでなによりであった。顔見知りの竜棋会メンバーが4名ほど来場されているのに気付き挨拶を交わした。
 豊川孝弘七段のダジャレをまじえた分かりやすい解説がいつにもまして心地よく響く。将棋は終始、安心して見ていられる指し回しで103手で菅井七段の勝ち(やはり3時32分という早い終局だった)。
 これで2連勝。なにか出来過ぎである。羽生王位も巻き返しに期するものがあろうが、菅井七段の将棋の内容も良い。羽生さんに選択権があることだが、相振り飛車も1局はみてみたい。次局以降も楽しみだ。