ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

JT杯福岡対局

 自分にとって関心がない戦法は見ていて面白くないものだ。
プロの芸を魅せてやるといわれてもやはり面白くない。
あなたの生まれた前から存在する戦法だよと云われても翻意させられるほどのこともない。
そういった戦法の一つが「角換わり腰掛銀」だ。


 7月24日JT杯福岡対局へ行ってきた。
広瀬章人八段vs豊島将之七段の公開対局である。
対局開始早々うつらうつらしつつ見ていたがハッと覚醒したのが「次の一手」となった中断局面だった。

 まだ中盤の入り口みたいなところだが、解説の鈴木大介八段が候補手を29飛、45歩、88玉などと述べていた。
指さない戦法は指し方の流れの感覚がよく分からない。
競馬の万馬券ではないが、66歩と書いて提出したが所詮、当たるわけがない。


 でも、この将棋は終盤が面白かった。どちらが勝ちそうになっているのか、最後までよくわからなかったのだ。
スリリングな終盤と遭遇することが私と指し将棋をつなぎとめるものに他ならない。
「名人は危うきに遊ぶ」という言葉があるが、「詰将棋作家は終盤に遊ぶ」といったところだろう。
華麗なる収束を追い求めることに情熱を傾けてきたのだから。