ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

淡き夢、砕く2六歩

 今週初めには竜王戦の挑戦者も決まり、これで年内(12月いっぱい)のタイトル戦の日程も決まりました。
現地の解説会などに行くべきか、ネットで観戦すべきかなど計画がたてやすくなりました。


 さて、王座戦の第2局は大阪で開催されました。
今回は私が望む将棋を見せてくれるのではないかと淡き期待(だってこの二人、銀河戦では相振りしてましたからね)をもって大阪へやってきました。
9月17日AM9時に宿泊したホテルで対局開始早々の画面をネットからじっと見つめていました。
先手76歩、後手84歩から3手目26歩であっけなく私の淡き夢が砕け散ってしまいました。


 少々、落胆いたしましたがせっかく大阪へ来ましたので、午後1時からの大盤解説会へ行きました。
会場はウエステインホテル大阪で、主催は西遊棋(関西若手棋士グループ)で実際に解説にあたってくれたのは西遊棋のメンバーが中心となって約1時間交代で登壇されました。最初は糸谷竜王と船江5段を皮切りに、山崎8段、井上9段、西川5段、星野4段、女流から長谷川2段、室田2段、山口3級などでした。

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 角換わり腰掛銀はさっぱりわかりませんが、解説にあたる棋士はこの戦法の特徴、リアルタイムで進行する将棋の変化などを詳しく説明されたのでよく理解できたように思います。なかでも棋士間で飛び交った言葉「全否定の手」というのが印象に残りました。どうやら、こちらが指した手に対して相手が考えることが全部意味がないですよということらしい。以前、絶対に王手がかからないという意味での「Z」(ゼ)に遭遇した時みたいな衝撃でした。
 将棋の方は115手で挑戦者の佐藤8段が勝ちました。羽生さんとしては不出来な将棋だったらしいが、解説していた棋士の多くは攻めている羽生さんの方を優勢といわないまでも指しやすいといっていたが、これってやはり羽生さんの信用ということかな。それにしても佐藤8段の終盤のたたみかけるような寄せは見事でした。
 これで1勝1敗となり、興業的にはおもしろくなったのではないでしょうか。