10数年ぶりに川上未映子エッセイ集がこの8月に出版された。
そもそも彼女を知るきっかけになったのは2006年『それ頭はでかいです、世界がすこんと入ります』だった。関西弁を交えながら軽妙なタッチの文章には大いに魅せられた。一言でいうとやさしい言葉の数々をちりばめた文章がイキイキと感じられたのである。2008年には『乳と卵』で芥川賞を受賞してからの活躍は周知のとおりである。2012年前後に発行された『発光地帯』『魔法飛行』『安心毛布』は私が勝手に本格エッセイ3部作と呼んでいるがこれらが贔屓を決定的なものにした。
今や数点の小説が海外で翻訳されていると聞く。文学賞などを契機に一気に花開く文学の例にあたるだろう。
さて、表題の本は帯にもある12年間に出版された小説の数々への思い、また私生活におけるテーマをかかげ彼女自身の感じ方・考え方が率直に語られている。フアン必読の書である。
今回の詰将棋:15手詰