ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

相振り飛車考

 若い頃より詰将棋研究の傍ら、将棋を指すことも楽しんできた。あまり神経を使わずに気楽にさせる戦法ということで振り飛車党になった。相振りになる場合があることを覚悟すればほぼ100%自分の将棋が指せる。その相振りだが最初の頃は「仕方なく」指していたが徐々に対抗型(居飛車vs振り飛車)より相振りそのものが面白くかつ楽しくなった。あの頃は(今でも多分にそういう点があるが)定跡に未開発の部分があり手将棋の感覚が詰将棋の創作のそれと私の場合多分一致したのだろう。

 

 さて、棋泉というソフトにプロ棋譜を収集してきたが相振りだけでも2000局近くある。これを棋士別に分析して統計を採ってみた。(初期の頃はお気に入りの棋譜しか入力しなかったので私の収録数は連盟が把握している分と当然違うことを最初にお断りしておきたい。然し乍ら、ある程度の傾向は一致するものと思う。)

対局数のベスト5は次のとおりである。

1位 久保利明九段 123局

2位 藤井猛九段  112局

3位 鈴木大介九段  78局

4位 小林健二九段  68局

5位 近藤正和六段  65局

次点は谷川浩司九段が続いている。

現代相振りの御三家は予想通りである。ついでに云えば昭和40年及び50年代の相振り御三家は内藤國雄九段・佐藤大五郎九段・大内延介九段を挙げたい。彼らもランキングの10位前後に顔を出している。

 

 相振り飛車の玉の囲い方は今でこそ美濃、矢倉、穴熊等多彩になってきたが黎明期では「金無双」が主流であった。この金無双は現代将棋では相振りに見かけるだけであり、まさに相振り飛車独特の構想力から誕生した「囲い」と云えるのではないだろうか。

 

 九州の詰将棋作家の会合を年2回博多で開催している。来る夏の会合の課題が「囲い図式」であるので、「金無双」という囲いにこだわってこの4月に作品作りに励んだ。10数点作品が出来上がったのでこの中より2作品をこのブログで公開したい。手数をヒントに挑戦してみてほしい。駒取り駒交換、非限定などキズがあるが実戦型は解いて楽しむことが一番大切である。(15手詰と29手詰です)

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