ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

タイトル戦における戦型

 羽生三冠はもはや、オールラウンドプレーヤーではない。


 8月21日に詰将棋の九州グループの会合があったので博多へ行った。
翌日から王位戦の福岡対局があるのが分かっていたので、その日博多へ泊った。
万一(この言葉を引用しなければならないほど期待は薄かったが)、戦型が振り飛車戦になったらさらに滞在を延ばして飯塚での大盤解説会へ足をのばそうと思っていたからである。
 22日午前9時、注目の出だしをモバイル中継でみていた。将棋の戦型は最初の4手でほぼ決まるものだ。
期待薄だった分、落胆もない。その日のうちに長崎に帰ってしまった。


 そういえば、羽生さんの振り飛車をながいこと、見ていないなと思いながら、最後に7大タイトル戦で振り飛車を披露したのはいつだろうかと、「将棋年鑑」のバックナンバーを備に調べてみた。
 すると、彼が最後に飛車を振ったのは平成24年9月5日の第60期王座戦(対渡辺戦)第2局でその時、角交換型四間飛車を採用して勝っている。以来、今回の第57期王位戦第4局(福岡対局)まで、実に85局連続して振り飛車不採用の事実が判明した。このまま推移すると、来年は100局に近づくことになる。


 良い組織というものは「リーダー」と「トップ人材」の動きにかかっている。
創造力や企画力が抜群に優れた人など、目覚ましい実績を上げている人を中心にまわるものである。
そういったできる人のレベルに他のメンバーが必死についていき、全体のレベルが上がるのが理想的な組織のあり方でもある。羽生さんは将棋界でリーダーシップを発揮し続けることができる人でしょう。
 そういった反面、振り飛車衰退の原因がこういったところにもありはしないかとチョッピリ残念に思ってしまいました。