ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

一流の将棋はやはり難解

 5月13日は名人戦第3局の二日目である。
昨日、せっかく姫路市まで来たので、足を延ばして大阪に来た。
やってきたのは夕方、6時からの関西将棋会館での大盤解説会である。
幸いなことにこの夕刻時点では将棋の勝負は決着していなかった。


解説に当たるのは稲葉陽八段で、聞き手は山口絵美菜女流2級である。
来館者は約30名あまりである。
今回の戦型は序盤からいろんな変化があり、山口さんが観戦者に成り代り、うまく稲葉さんから話しを引き出していた。
稲葉八段は今年からA級棋士の仲間入りをされたが、お二人との対戦経験等を聞かれたときに、羽生さんとは対局実績がなく、今後その機会に恵まれたら先手なら横歩取り、後手なら一手損角替わりを指してみたいそうだ。佐藤八段とは過去3回対戦して全部負かされたそうだ。なかでもNHK杯戦で逆転負けを喫したことが印象に残っているとのこと。


 さて、将棋のほうは後手の34手目長考後の「54飛」に対して、先手の封じ手が「58玉」だった。
5筋に備えて、玉が戻った感じだが、この時点で後手を持ちたいとの稲葉八段の見解。
70手目の後手の指し手を「次の一手」として出題がなされた。56成桂、67香成、その他の手の3択だった。
結果は78飛成のその他の手で書かれた人が17人。抽選の結果5名の方に「扇子」がプレゼントされた。

その後、勝負はバタバタと進み、意外と短手数の76手で挑戦者の勝利となった。
 横歩取りのような相居飛車の将棋は本当にムズかしい。詰将棋に例えると、飛角桂香の飛び道具が行き交う中段玉の詰将棋を解いているイメージに私はつながる。本局のように、中段へ引っ張り出された玉の寄せはなおさらの感じがいたします。
だから、私は振り飛車が好きというのは少し意味合いが違いますが、似ているような感じがしないでもない。
そもそも、居飛車党は指し方の苦労が多いというのは少なからず事実でしょう。
 これで、挑戦者がひとつリード、シリーズの行方が俄然、面白くなってきましたね。
羽生vs佐藤.kif 直

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