ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

もう一つのベスト4入りをかけて

 世の中には振り飛車党を公言できる棋士は別として、振り飛車なんか指すものかとの信念を持つ棋士と稀に振り飛車を指すことがある棋士の二種類がある。後者の場合は対局中継の時、いちいち確認しなければならないから大変だ。振り飛車フアンに気を持たせる罪作りな人でもある。青嶋未来5段はそういった棋士の一人である。

1月13日叡王戦本戦より斎藤慎太郎7段vs青嶋未来5段の対戦があった。

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  上記図は先手青嶋5段が55歩位取り中飛車で後手が26手目12香と居飛穴を目指したところである。この中飛車は以前、よく私も指していた形なので興味深く観戦した。なかなか手に汗握る攻防という感じで特に互いの金銀の捌き合いが印象に残る。勝負は119手で先手が勝った。A級に登らんとする7段の若手にイキの良い5段が勝つという2日前の叡王戦の再現となった。なんというドラマチックなことであることよ。これで2つ先のことではあるが佐々木5段vs青嶋5段の決勝戦にでもなれば新たなる叡王戦ドリームが誕生することだろう。