ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

明快至極、相振り飛車の快感

 3月2日、マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦が行われた。
決定戦に進出したのは西山朋佳奨励会三段と室谷由紀女流二段である。


 2月24日付の週刊将棋では挑戦者決定戦展望の記事がある。
両者のインタビューでは共に相振り飛車になると述べている。
なんと明快至極なコメントだろうか。相振り飛車と聞いて私はワクワクしてくる。


 男性プロ棋士振り飛車党の対局の場合は、すんなり相振りにはならない。
どちらかが振り飛車を譲ったり、互いに牽制し合って振り飛車とも居飛車とも判別しにくい変な将棋になったりしたら実に興ざめである。
 その点、女流の振り飛車党は何が何でも私は振るんだという姿勢が良い。
まるで、「飛車を振れないようでは、男も振れない」と確固たる信念を感じるのである。
きっと、そうに違いない。多分そうだ。そうかも知れない。


 さて、余談の推測は別として、本戦はどうだったのでしょう。
75歩・35歩の突っ張り型の相三間飛車となりました。
端攻めに定評がある西山さんが50手目に15歩と突き捨ててから戦局が大きく動きました。
先手の室谷さんが飛車交換後、22飛車と下ろしたあたりは再三にわたる馬作りとのコンビネーションもよく、先手が優勢ではないかと見ていました。でもそこから西山さんもあやしく粘ります。
161手の長丁場をへて、ついに先手が押し切ったという印象です。
 室谷さんは準決勝戦で難敵・清水さんに勝った勢いをそのままに挑戦者に上りつめたというところでしょう。