ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

白瀧あゆみ杯

 第9回白瀧あゆみ杯争奪新人登竜門戦の決勝戦が本日(10月12日)行われた。
伊藤紗恵女流2段vs西山朋佳奨励会2段の対決である。
元と現奨励会員の決戦でもある。
里見さんがらみの対戦を除けば、この二人の対局は好カードの対局の部類であろう。
奨励会で鍛えられている将棋であるとともに、西山さんの振り飛車と伊藤さんの振り飛車党に対してときおりみせる相振り飛車が好印象である。伊藤さんは本来、居飛車党であるため、居飛車感覚で指す相振りで独特な感じがする。
西山さんはこの棋戦初出場であり、一方伊藤さんは第7回大会で優勝している。


 さて、本局は午後2時半より東京の将棋会館で行われた。
注目の戦型は相振り飛車となりました。先手番を握った西山さんが76歩から75歩と石田流を見せれば、伊藤さんは54歩・53銀から22飛と注文をつけた形の相振りを選択しました。

途中図は後手が40手目24にいた飛車を84飛と先手にゆさぶりをかけたところです。
一瞬、左辺の飛角銀桂の動きが窮屈に感じるが、先手はこれらをどうほぐしていくかが勝負となった。

53手目先手は大駒交換が見えていただけに、86歩が思い切った手だった。この地点で飛車が2回も交換に至るのも意外な展開だった。

69手目87飛の自陣飛車が好手だった。後手も角銀交換後、47銀の打ち込みで後手陣へ迫る。
83手目44角が痛打で、この手以下先手が(103手)押し切ってしまった。

西山さん、優勝おめでとう。好きな棋風なので私も素直にうれしい。

西山vs伊藤.kif 直