ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

女流王座戦<前夜祭>

 第3期リコー杯女流王座戦第1局が10月26日に大阪で開催される。
 その前日(25日)に開催された前夜祭へ行ってきた。

場所:ホテル阪急インターナショナル(大阪市北区茶屋町

棋士加藤桃子女流王座、里見香奈女流三冠
   谷川浩司連盟会長、羽生善治王座
   淡路仁茂九段、久保利明九段
   清水市代女流六段、矢内理絵子女流四段
   室田伊緒女流初段、室谷由紀女流初段 ほか
ゲスト:囲碁棋士 井山裕太六冠

実はこの前夜祭が行われる今週の前半にはこの催しの雰囲気を左右しかねない対局が3つもあった。まず、羽生王座。10月21日に第61期王座戦の第5局があったが、もし中村新王座が誕生していたら、この会には急遽、中村新王座が来ることになるのかと思ったりした。次に、10月23日に開催された第35期女流王将戦第3局と第7期マイナビ女子オープンである。前者では里見四冠が香川女流二段に敗れ、タイトルを失った(ウエブの産経ニュースでは里見から金星という報道をされていたが、香川さんにとっては嬉しい初タイトルである)。これで里見さんは6月の女流王位に続く失冠で、女王・女流名人・倉敷藤花の3冠に後退した。後者では本戦トーナメント1回戦で上田初美女流三段と対戦があり、ネットで観ていたが相振り飛車の難局を加藤女流王座が制した。要するに、羽生さんは同一タイトル獲得数の歴代最多記録(通算21期)という新記録でもって、気分を良くして会場入りされるだろうし、主役の二人(加藤・里見)はこの女流王座戦5番勝負の第1局の前夜祭において、23日のそれぞれの対局結果を踏まえてどういう挨拶をされるかということに私は注目していた。


さて、6時15分開宴となるが15分前に会場に到着。詰パラ上代表と会う。最近、結婚された船江五段を交えてしばし歓談。
<前夜祭の式次第>
1 リコージャパンの坂口氏が冒頭挨拶。

2 日本将棋連盟の谷川会長の挨拶。

3 日経新聞社の佐藤氏の乾杯

4 村田智穂女流2段による参加棋士の紹介(大きな写真参照)
 登壇した棋士谷川浩司9段、東和男7段、羽生3冠、淡路仁茂9段、久保利明9段、山崎隆之8段、畠山鎮7段、稲葉陽7段、船江恒平5段、清水市代女流6段、矢内理絵子女流4段、長谷川優貴女流2段、室田伊緒女流初段、室谷由紀女流初段、北村桂香女流2級

 *棋士が壇上にいる間に、囲碁井山裕太棋士が六冠復帰となったお祝いに室田(奥様)初段よりお祝いの花束が渡された。また、最近結婚された矢内四段に関西棋士を代表して山崎八段より花束が渡された。コメントを求められた山崎八段は「あきらめます。おめでとうございます。」と云ったので会場は笑いの渦となった。


5 両対局者と淡路立会人による明日の意気込み等について

淡路立会人:お二人の日頃の実力を出し切っての名局を期待する。

里見挑戦者:今期初めて挑戦者となった。名局というより自分の力を十分に発揮できるようなシリーズにしたい。そういった姿を見ていただけたら嬉しい。
加藤王座:羽生、井山両先生に参加いただき、盛大な前夜祭となり感激しています。明日は初めて着物で対局します。里見先生と対局できることになってうれしい。全力でぶつかって、はずかしくない将棋を指したい。


6 室谷女流初段の司会による「羽生vs井山」の特別トークショウがあった。

室谷:将棋・囲碁のよいところはなんですか?
羽生:世代をこえて楽しめるところ。
井山:石の役割がその人のやり方によって個性がでるところ。


室谷:休みの日はなにをしていますか?
羽生:なにもしないでボヤットしていることが多い。
井山:お酒でワイワイさわいだり、よく寝ることが多い。


室谷:お互いに相手に聞いてみたいことは?
羽生:タイトル戦に出ずっぱりで遠征などしていると自分がどこにいるのか分からなくなることはありませんか?
井山:あまりそういう経験はない。
井山:7冠王になる秘訣は?
羽生:はるか昔のことなので忘れてしまいました。


このほか、二,三質問のやりとりがありました。