ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

ゲームの達人

 詰将棋が好きな人はパズル好きな人が多い傾向がある。詰将棋パラダイス誌では本家の詰将棋のほかに、フエアリー、推理将棋などの人気コーナーがある。9×9の81マスだから、数独も好きだと云う人もいるくらいなのだ。


 そういった詰パラの楽園に巣くうパズル好きの人々に対し、人後に落ちないプロ棋士がいる。先崎学八段である。
彼はこの10年来、週刊文春にエーセーを連載しているが、詰将棋に関連する記述もあったため、書店での立ち読みが多かったもののこれまでよく読ませていただいていた。昨年秋にその記事より抜粋編集された「今宵、あの頃のバーで」という単行本が出版されたことは、ご存じの方も多いかと思う。
 81編あるタイトルの中で詰将棋関連の標題をピックアップすると次の6項目ある。
・対局後も詰将棋と睨めっこ  将棋の基本は詰みにあり
・怪人の笑み、棋士の好奇心  三人寄れば詰将棋あり
・ばか詰から推理将棋まで  挑まずにはいられないパズルの妙味
・将棋まつりの悲劇
・悲劇は連鎖する
・「詰むや詰まざるや」の感覚は江戸時代から現代までどう変わったか

さらに、その記事での内容のポイントになると
詰パラは古くからある詰将棋の専門誌で、問題のクオリテイの高さに定評があり、今も昔も若き将棋指し達の必読書である。
・私はばか詰というものが実に好きだ。特に五手のばか詰というのは傑作が多く、いつか一冊の本になってほしいと願っている。
・最近の私のお気に入りは、推理将棋というものである。将棋の初期配置から、会話文に合う答えを見つけるというもので、これがおもしろい。
・よく考えると好きなジグソーパズル、囲碁、麻雀など、私のまわりはエネルギーを消費しないもので溢れている。そして、それは悪いことではない。
・昔よく遊んだ軍人将棋もあった。
  というようなことを述べている。私の8月15日付ブログで、オセロのことを掲載したが、あれなどまさに痛快極まる出来事である。
このほか、ギャンブルに類いするものを含めて、いろんなゲームに精通している彼にはまさに「ゲームの達人」の称号を与えたいくらいである。


 さて、詰将棋全国大会は来年は名古屋で開催される。この大会に先崎八段をお呼びして、ミニ講演会でもやってもらってはどうかとふと思った。彼がお気に入りの「ばか詰」や「推理将棋」を語ってもらっても良いし、先崎に挑戦!ゲームコーナーでもよい。
 過去にどうぶつしょうぎのコーナーを作った年もあったことだし、実現を図るにしても、お酒飲み放題の懇親会招待付きの薄謝では当然のってこないだろうし、やはりギャラがネックになるのかな。私一人の思い付きではどうにもならないが、一年近く先のことでもあり、少しは検討の価値がありそうな気もする。

参考文献:「今宵、あの頃のバーで」 日本将棋連盟発行
      「青春ギャンブル回想録」 白夜書房発行