ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

ネット配信将棋

 プロのタイトル戦に振り飛車戦がほぼ消滅して久しい。

 今や、興味の焦点は比較的振り飛車戦が多い女流将棋とネット配信による将棋に移ってしまった。

 最近、特に注目したのは2020・12・12に公開された藤森哲也五段による「負けるまで四間飛車スペシャル」だった。負けるまで戦った対局が全16局。うち、8局が相振り飛車で、残りは当然四間飛車の対抗型だった。10秒将棋とは云え、適切なコメントは圧巻だった。3時間という長丁場があっという間だった。いまだに時折再生して楽しんでいる。私にとって永久保存版である。

今回の詰将棋:19手詰

f:id:stoneriverki:20210201074725p:plain

 

詰将棋の解答(1月ブログ分)

1月1日分*24竜 同玉 25銀 同金 34金 まで5手詰

1月14日分*22角 同金 81龍 12玉 21龍 同金 同銀生 同玉 13桂 12玉 23金 同玉 33と 12玉 23と 11玉 61龍 21桂 同桂成 同馬 同龍 同玉 33桂 11玉 22角 まで25手詰

剛腕・強手は桑原流を彷彿

第34期竜王戦第6組ランキング戦が1月13日に行われた。

西山朋佳女流3冠vs室岡克彦7段の一戦。

下記途中図は先手が6筋の歩を交換して64銀と進出したところ、後手が63歩と指したところである。

f:id:stoneriverki:20210114164033p:plain

さて、先手は穏やかに指すなら75銀と引くところだが、なんと同銀成と取り、同金に64歩と打ち62金と引かれた。この局面で銀損である。これから先手は43角と打ち、以下攻め倒してしまったのが少々驚きであった(75手で先手勝利)。

 西山さんらしい剛腕・強手が決まったがもはや映画の世界での「ワンダーウーマン」といえば言い過ぎだが、少なくとも詰将棋で云えばまさに「桑原辰雄流」を彷彿させるものがある。

 こんなに強い振り飛車党、早くプロになってもらうのが楽しみで仕方がない。

今回の詰将棋:25手詰

f:id:stoneriverki:20210114165510p:plain

 

年頭にあたって

謹賀新年

 今年はコロナに負けず詰将棋全国大会と詰将棋解答選手権を無事に開催したい。

 詰将棋創作は第4作品集に向けて精進していきたい。

f:id:stoneriverki:20201231062555p:plain

上記が私の年賀状の原文です(詰将棋は5手詰)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 2020年を振り返ると、春に3冊目となる詰将棋の本を出版した。夏には詰将棋界の「門脇芳雄賞」の表彰を受けた。このようにエポックを画するような出来事があった年だったがコロナ禍に水をかけられたような気分がしないでもないがそれも時代の空気・流れといったものなのだろう。

 コロナに負けないという対抗心よりはウイズコロナという思いで接していく方が生活の知恵かもしれない。

 当分、在宅の機会が多い日々が続きそうだ。

一人で遊べる詰将棋にも拍車がかかりそうである。

詰将棋の解答(12月ブログ分)

12月1日*72銀打 53玉 63飛 同金直 同銀成 同玉 72銀生 同玉 61角 63玉 52角成 同玉 43金 同玉 42金 53玉 51龍 63玉 52龍 まで19手詰

12月9日*71金 同玉 81金 72玉 82金 同玉 83香 72玉 64桂 同金 81銀 71玉 72歩 同金 61桂成 同玉 72銀成 同玉 73金 71玉 82香成 61玉 53桂 51玉 41馬 まで25手詰

12月14日*83角 82玉 71銀 同玉 72銀 同金 同角成 同玉 83角 82玉 73桂成 同金 72金 同金 同角成 同玉 63銀 82玉 83金 71玉 72金 まで21手詰

12月16日*81銀 63玉 43飛 同金 72銀打 53玉 63金 同金 同銀成 同玉 61龍 62飛 同龍 同玉 72飛 63玉 62金 53玉 52金 63玉 62飛成 まで21手詰

12月24日*24桂 同歩 23銀 同玉 33金 12玉 23銀 11玉 22銀成 同金 同金 同玉 34桂打 同角 同桂 23玉 12角 同玉 22金 まで19手詰

キラリと輝くか、新星

12月22日に48期女流名人戦の予選が行われた。

先手:山口稀良莉女流2級vs山口絵美菜女流1級の一戦。

先手の人が聞きなれない名前だなと思い、連盟のHPを見た。

この12月に女流2級としてプロになったばかりの岐阜の高校1年生だった。どうやらこの日がデビユー戦のようだ。

 その将棋を見てみると相振り飛車になった。

f:id:stoneriverki:20201224101813p:plain

 途中図は後手が48手目に25飛と浮いて、65銀や85桂に狙いを定めたところである。先手、どうするかとみてみると92歩以下攻め合いに活路を見出して端を破りそのまま押し切って111手で勝利した。どうやら攻めっ気たっぷりの振り飛車党のようだ。目が離せない人が現れた。名のごとくキラリと輝くような将棋を指していってほしいものである。

今回の詰将棋:19手詰

f:id:stoneriverki:20201224102926p:plain

 

12月14日の朝日杯

午前10時から行方尚史9段vs阿部光瑠6段でその勝者が午後2時から佐藤天彦9段との対局という組み合わせだった。

この日は女流王座戦が一番気になる対局だったので、阿部6段に淡い期待は持っていたものの振り飛車戦はないだろうとみていた。

 ところがふたを開けてみると、阿部6段が四間飛車で行方9段に勝利し、午後は再び飛車を振ってくれた。これに佐藤9段は相振り飛車で応えてくれた。阿部6段、相振りのほうは負けはしたがなかなかうまく指していた。これを契機に本格的な振り飛車党になってくれないかと思ったりしたものである。

 途中図は行方戦との一戦で93手目44角と桂を取ったところで、これに後手は同銀と応じた。先手の次の一手が秀逸だった。43歩!この垂れ歩で先手の攻めが切れなくなった。このあと117手で攻め合い勝ちとなった。

f:id:stoneriverki:20201216124716p:plain

 ところでこの4間飛車は玉の囲いが端から金無双だった。金無双詰将棋を量産している私にとってはうれしい気分だがシンプルな序盤の駒組みが魅力で振り飛車党になった身としてはやや戸惑いがある。振り飛車に限らずいろんな囲い方が最近はみられるようになった。きっと指し将棋が進化をし続けているということなのだろう。

今回の詰将棋:21手詰

f:id:stoneriverki:20201216130920p:plain