ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

飛香落ちで教わる

 3月25日(日)に出身大学の同窓会(九州支部総会)が博多で開催されるため、その出席を兼ねて一日早く(24日に)博多入りした。その目的は当初、プロ野球ソフトバンクのオープン戦を観戦する予定だったが、将棋のプロ棋士による指導将棋が天神であることが分かり、急遽そちらへ鞍替えした。
 正式には「一日将棋道場 中田七段&豊川七段とぶつかり稽古!」と銘打って西日本新聞会館でおこなわれた。
 私は午後の1番目の指導将棋で中田功七段より「飛香落ち」で教わった。スタート時点では8面指しであったため、棋譜をゆっくり取りながら指すことができ、かつ中田七段が一手指すごとにひと回りしてくる前に、自分の着手は済ませておくことを心掛けた。

 途中図は美濃囲い等へ玉を囲う前に、居玉で戦いが始まってしまったが、上手の玉も中住まいで似たようなものだから、さほど気にかけなかった。
 途中図から下手は飛車か角を切って攻めを続けるしかないと思い、この局面では飛車を切り31銀と22角を攻めた。同角、同角成となり、次に21馬と駒得しながら指せるので下手が良いと思った。
 68手目61角と送って53馬と玉に接近したが、51香と打たれてみると以外に難しくしてしまったと感じた。26馬と最大限、にらみを効かして辛抱した。74手目82歩と打てて、少し自信を取り戻すことができた。
 81手目、上手47歩成のところでは先に77とで桂を取られていたらあまり自信がなかった。85桂跳で下手の攻めは切れないと確信に近いものを感じた。終盤、上手の最終の猛攻をなんとかかわしたが、どこかでうまい寄せがあったかも知れないし、よく分からないところだ。一局を振り返ると、互いに攻めあって楽しめたことがよかった。即ち、互いに寄せがあるかどうかと考えながら、指すような将棋が私は特に好きだ。ある意味、詰将棋作家の指し将棋の楽しみ方の一種といえるものかもしれません。


     ▽34歩  ▼76歩 ▽44歩  ▼16歩 ▽42銀  ▼15歩 ▽43銀
▼18飛 ▽54歩  ▼14歩 ▽同歩   ▼同飛  ▽13歩  ▼16飛 ▽32金
▼75歩 ▽62銀  ▼76飛 ▽53銀  ▼74歩 ▽同歩   ▼同飛  ▽64銀
▼76飛 ▽55歩  ▼96歩 ▽94歩  ▼97角 ▽45歩  ▼77桂 ▽75歩
▼86飛 ▽72金  ▼68銀 ▽54銀  ▼36飛 ▽43金  ▼26飛 ▽33金
▼66歩 ▽95歩  ▼65歩 ▽96歩  ▼86角 ▽53銀  ▼75角 ▽52玉
▼76飛 ▽73歩  ▼86角 ▽24歩  ▼74歩 ▽同歩   ▼同飛  ▽73歩
▼54飛 ▽同銀   ▼31銀 ▽同角   ▼同角成 ▽89飛  ▼79歩 ▽99飛成
▼21馬 ▽53銀打  ▼31馬 ▽97歩成  ▼61角 ▽同玉   ▼53馬 ▽51香
▼26馬 ▽87と  ▼82歩 ▽46歩  ▼53桂 ▽71玉  ▼81歩成 ▽同玉
▼61桂成 ▽47歩成  ▼85桂跳 ▽56歩  ▼82歩 ▽同玉   ▼74桂 ▽同歩
▼73銀 ▽同金   ▼71馬 ▽92玉  ▼73桂成 ▽67桂  ▼同銀  ▽95角
▼68桂 ▽73角  ▼72金 ▽57歩成  ▼73金 ▽68と  ▼同玉  ▽76桂
▼同銀  ▽57銀  ▼59玉 ▽58歩  ▼同金右 ▽同と   ▼同金  ▽79龍
▼69桂 ▽47桂  ▼49玉 ▽69龍  ▼59歩 ▽58銀生  ▼38玉 ▽39桂成
▼28玉 ▽29成桂  ▼同玉  ▽59龍  ▼39桂 ▽38金  ▼18玉 ▽26桂
▼同歩  まで128手で下手の勝ち。 

第15回詰将棋解答選手権(長崎会場)の案内

<長崎会場実施要領>
実施部門:初級戦&一般戦
運営協力:日曜子供教室ふぁんた
会場:長崎市民会館2階
長崎市魚の町5−1
JR「長崎」駅から徒歩13分
会場URL→https://ngs-shiminkaikan.jp/access

日程:平成30年4月7日(土)午後
初級戦スケジュール
1手詰から5手詰を6題
午後1時  初級戦受付と競技説明
午後1時30分から2時10分  初級戦競技(40分)
午後2時10分  初級戦採点と解説及び表彰式

一般戦スケジュール
5手詰から15手詰を6題
午後2時40分  一般戦受付と競技説明
午後3時10分から4時10分  一般戦競技(60分)
午後4時10分  一般戦採点と解説及び表彰式
午後5時終了予定

参加費:500円(両部門参加は700円)
 高校生以下及び女性は300円(両部門参加は500円)
問い合わせ・申し込み先:tumeparashou@yahoo.co.jp 石川
「氏名(ふりがな)」「住所」「電話番号」「参加クラス」「参加区分(一般・高校生以下・女性)」を明記すること。
申し込み締め切り:平成30年3月31日(土)
参加定員:15名
解答選手権速報ブログURL→http://blog.goo.ne.jp/shogi-problem
 

体調不良とジレンマ

1 詰将棋会合(九G)
正月も7日を過ぎたころ、得体のしれない頭痛としばらくして手足のしびれという体調不良に見舞われた。14日には年に2回の九州詰将棋グループの会合が博多で行われることになっていた。年の初めでもあり、仲間とあって談笑したいと思い、少々無理をしてその日、博多に向かった。1次会はかなり遅れて3時過ぎに会場についた。世話人のSさんに遅れた事情をこっそり話して、会合の輪に加わる。
 参加者数は10名。遠方から横浜の小池氏、関西創棋会から吉松氏が見えられていた。
吉松氏は現在、創棋会の世話人をされていて、大阪へよく行く私は日程さえ合えば、創棋会の会合には極力お邪魔するようにしている。彼とは古くからのお付き合いであり、今回九州に初お目見えであったので、無理してでも私が会合に出てきたかいがあったと感じた。
 2次会も参加して、いつも以上に陽気にふるまい、仲間に心配をかけないように努めた。


2 第67期王将戦第2局
 昨年は久保王将及び菅井王位のタイトル戦を現地の前夜祭&現地大盤解説会と追っかけをしたものである。
 今年はお二人の防衛戦である。その王将戦第2局(1月27・28日)がお隣の佐賀県に来ることが分かっていたが、前記のように体調がいま一つ、かんばしくないので前夜祭と現地大盤解説会へ行くことを断念した。静かにネットで観戦することにした。


さて、第2局は後手四間飛車vs先手居飛穴の対抗型となった。
図は後手が88手目75銀と勝負手を放った場面である。その一手前の先手41飛成をみて、私は生きた心地が正直、しなかった。そして、最後までどっちが勝っているのやら分からなかったのである。結果が久保王将についてくれたのでほっとした。
 もし、逆の目がでていたら、2月1日に行われたA級ラスト前、一局に悪影響が出ていたかもしれないと思ったりした。幸い、A級戦は勝利して6勝3敗となり、可能性の高い挑戦の目を残している。


3 第67期王将戦第3局
第3局は2月3・4日に栃木県で開催された。
第1局に続く、相振り飛車である。第1局があまりにも一方的だったので、私にとってあらためて注目の局となった。

図は70手目後手が42桂と打った局面である。その6手前、後手が64手目29飛車成と成りこんだあたりではまたしても後手の猛攻が成立しているのではないかと思った。
 先手が打った54角を42桂、それから51香と攻めるなど実にスリリングな攻防が続き、この将棋もどちらが良いのやら、よくわからなかった。終わってみれば、後手の金無双の囲いを攻略する参考棋譜みたいな感じがしないでもないが、そんな単純なものではないことは確かだ。この二人は第60期王将戦でもタイトル戦を戦っているが、あの頃の豊島さんとはあきらかに将棋の強さの質が違うように感じる。きっと、7番勝負までもつれるに違いない。個人的にはハラハラドキドキする将棋を一局でも多く期待したい。


4 古森悠太四段
昨年、9月に第61回三段リーグを2位で卒業したのが古森悠太四段である。彼は「関西駒の会」で世話人をされている古森秀樹氏のご子息である。
駒の会の関係者からプロ棋士が誕生したことは誠に喜ばしい限りである。駒の会の今後の発展にもきっと弾みがつくことであろう。
2月12日は大阪のホテル阪神で彼の祝賀会が開催される。私は「関西駒の会」とは10年来のお付き合いがある。この祝賀会にも案内状をいただいたが、諸般の事情により出席を断念した。
 祝賀会はきっと盛り上がることだろう。いつもにもまして、テンションがあがるであろうH会長、静かに喜びをかみしめるであろう父君、そしてなんといっても愉快なメンバーが多い駒の会ことであるから、その情景が目に浮かぶようでもある。
 新四段は振り飛車党だそうだ。このことが私は特に気に入った。久保王将や菅井王位に負けず劣らず、魅力ある振り飛車党として、これからの活躍を期待したい。
 さて、その彼が2月14日にTV(Abema TV)に登場する。
第49期新人王戦で藤井聡太五段との対戦だ。こういうのも「藤井効果」の一種なのだろう。
 将棋の内容はともかく、将棋盤から標準的な離れ方をするのだろうか?駒をさわる手つきはどうなのだろうか?など日頃とは違う視点を交えながら、ネット観戦を楽しみたいと思います。

謹賀新年

 昨年は久保王将、菅井王位の誕生で観る将棋ファンとしては満足のいく一年でした。
今年はまず、詰将棋解答選手権・長崎会場の参加者をなんとか二ケタに乗せたいと思っています。はやくも正念場が来たという決意で臨みたいと思います。
下記の詰将棋は年賀状に記載した作品(7手詰)です。

平成30年 長崎県将棋大会予定表

長崎県内将棋大会

H30年1月21日  支部対抗団体戦(長崎支部代表決定戦)
H30年2月4日  第20回少年将棋大会(第43回小学生名人戦
H30年2月11日  第25回全国シニア名人戦
H30年2月18日  支部対抗戦(団体戦個人戦県大会)
H30年2月&7月 青雲荘将棋大会(雲仙青雲荘にて)
H30年3月18日  第40回久留米王位戦
H30年4月7日  第15回詰将棋解答選手権・初級&一般戦(長崎会場・市民会館)
H30年4月15日  第31回全国アマ竜王戦(長崎支部代表決定戦)
H30年5月?日  高校総合文化祭将棋専門部会(団体戦個人戦
H30年5月13日  三世代将棋大会(ネンリンピック代表選考会)県勤労福祉会館
H30年5月27日  第31回全国高校竜王戦&第39回全国中学生選抜戦
H30年4月以降  小学生倉敷王将戦
H30年6月3日  文部科学大臣杯第14回中学生団体戦
H30年6月10日  文部科学大臣杯第14回小学生団体戦
H30年7月8日  第72回全国アマ名人戦
H30年10月?日  赤旗各地区大会並びに県大会
H30年10月?日  田平町文化祭将棋大会
H30年10月21日  第42回全国朝日アマ名人戦
H30年11月?日  高校新人戦(団体戦個人戦
H30年11月24日  県内支部連絡交流会
H30年12月9日  支部会員等将棋大会・交流会
*開催会場は原則、三菱記念会館(10時受付・10時20分試合開始)。
*私(管理人)も時折、お手伝いしている「日曜子供教室(月に1,2回)」が開かれています。詳しくはこのブログの右上にあるアンテナ「将棋教室ふぁんたブログ」をごらんください。

倉敷藤花戦

 地方におけるタイトル戦開催については、その熱心さの度合いにはかなりの温度差がある。
その中でも大山名人の生誕地でもある岡山はぴか一ではないかと思う。
大盤解説会などは会場借り上げ料の名目で入場料を徴収するケースが多いのだが、ここ倉敷では入場料を徴収された記憶がない。また、前夜祭の費用負担なども破格の安さだ。
 そして、主催(共催)する首長の熱心さにも注目している。岡山県知事や倉敷市長など、代理を立てた挨拶などにお目にかかったことがない。
いつぞや、菅井王位の六段昇段時の祝賀会に参加したことがあるのだが、その席にも岡山県知事が来ていた。こういった会にもお祝いにかけつけてくるのかと外野席の一員ながら、まさに敬服の至りだった。
 さらに、山陽新聞社の後援ぶりもすばらしい。
岡山県下の開催されるタイトル戦等は一面にその内容が掲載されるなど将棋そのものの取扱いも大きい。
また、一年を通して、日々の将棋欄には二つの棋譜が常に載っている。一つは「棋王戦」で、もう一つは「倉敷藤花戦orアマ将棋」である。
これには将棋フアンの一人として実にうらやましいの一言である。
倉敷市に対しては見返りなんていらないから「ふるさと納税」をしたいくらいである。住んでみたい地方都市はと問われたら、岡山は私の中では間違いなく五本の指のうちに入るだろう。


さて、第25期倉敷藤花戦第2局が11月26日に開催された(公開対局&大盤解説会)。
第1局は相振りの戦いで伊藤女流二段に十二分に勝機があったと思われたのに負けてしまった。尾を引いていなければいいがと思いつつ、今回も相振りの熱戦を期待しての倉敷入りである。
 ところが戦型の方は序盤早々、相振り模様の出だしだったにもかかわらず、先手の里見藤花が居飛車を選択してしまった。すでに後手は22飛車と向かい飛車にしてあったので戻しようもない。先手が注文をつけたような感じだが、後手の得意戦法である相振りをさけたようにしか見えなかった。もっと、はっきり云えば先手がそれを嫌がったのであろう。
 将棋は121手で先手が勝って、里見5冠はタイトルを防衛した。これで倉敷藤花は通算8期のタイトル保持となった。
終局後の感想戦で、伊藤さんは「対抗型の振り飛車側をもって指したのは二人の対局では初めてでした。新鮮な感じがして楽しく指せました」みたいなことを云っていたが、内心は不慣れな指しまわしでそれどころではなかったであろう。この二人の対局は春の女流王位戦を皮切りに、女流王将戦、今回の倉敷藤花戦を経て、近いうちに女流名人戦でもあいまみえることになっている。来る女流名人戦5番勝負では「相振りはどちらがうまいか」のシリーズになってほしいものだ。伊藤さんの独特の相振りの戦い方に魅せられている私は率直にそう思う。

将棋の日IN関西

 よく関西方面へ旅するなかで、自らの体験を経て大阪の七不思議とも云えるものがある。
その一つが道路である。大阪では南北に走る道路を「△△筋」といい、東西に走るそれを「△△通り」という。前者には御堂筋、堺筋松屋筋などがあり、後者には千日前通り、中央大通り、本町通りなどがある。
 全てを確認した訳ではないが、南北の幹線道路が一方通行となっている。例えば、御堂筋ではゆうに6車線はあろうかと思う大きな道路が北から南への一方通行なのである。初めて目の当たりにしたときは<なんとまあ、豪快な使い方よ。さすが大都会の大阪だ>と妙に感心したことを覚えている。
 新幹線で大阪に着く。地下鉄御堂筋線で「新大阪」から「心斎橋」へ直行することが多い。いつもと違う出口から地上に出たときに、自分の位置情報を見失うことがある。そういったときは御堂筋をながめて、車の流れを確認する。そして、車の流れに沿って歩けば難波方面へ行くことができるのを確認するのだ。このシステムはひよっとしたら旅人のためにあるのではないかとさえ思えてくる。おそらく、大阪で生活している人にとっては何か不都合な点があるのではないかと思うのだが、大阪の人に直接、尋ねたことはない。


 さて、11月23日に関西将棋会館で「第43回将棋の日in関西」が開催された。11月の「将棋の日」の関連行事は全国を巡回するイベントが有名だが、この日・この種のミニイベントはわざわざ九州から見に行くことでもなさそうだ。しかしながら、今回のメインのプログラムに「菅井王位vs稲葉八段」の公開対局があったので、訪れる気になった。

 菅井王位はタイトル獲得後、成績のほうが今ひとつスッキリしない。おそらく祝賀会などに振り回されて生活や勝負のリズムが乱されているのではないかと懸念するところだ。でもそのうち、従前の勝負勘をとり戻してくれるに違いないと期待している。
対局は先手・稲葉八段、後手菅井王位で始まった。注目の後手の作戦は期待通りの振り飛車(ごきげん中飛車)。
序盤の途中図は後手が22手目、42銀を31銀と引いたところである。手損であるが、こういう自由奔放とも思える斬新な指し手が彼の棋風でもある。将棋は中盤に後手が74手目、28角から19角成と香車を拾ったあたりでは後手指せるのではないかと思っていたが123手で先手が勝利した。
全般的な内容として、振り飛車の左側の金銀が捌きながら中央に盛り上がってくれたし、白熱した内容で十分満足した。

稲葉陽vs菅井竜也.kif 直