ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

将棋の日IN関西

 よく関西方面へ旅するなかで、自らの体験を経て大阪の七不思議とも云えるものがある。
その一つが道路である。大阪では南北に走る道路を「△△筋」といい、東西に走るそれを「△△通り」という。前者には御堂筋、堺筋松屋筋などがあり、後者には千日前通り、中央大通り、本町通りなどがある。
 全てを確認した訳ではないが、南北の幹線道路が一方通行となっている。例えば、御堂筋ではゆうに6車線はあろうかと思う大きな道路が北から南への一方通行なのである。初めて目の当たりにしたときは<なんとまあ、豪快な使い方よ。さすが大都会の大阪だ>と妙に感心したことを覚えている。
 新幹線で大阪に着く。地下鉄御堂筋線で「新大阪」から「心斎橋」へ直行することが多い。いつもと違う出口から地上に出たときに、自分の位置情報を見失うことがある。そういったときは御堂筋をながめて、車の流れを確認する。そして、車の流れに沿って歩けば難波方面へ行くことができるのを確認するのだ。このシステムはひよっとしたら旅人のためにあるのではないかとさえ思えてくる。おそらく、大阪で生活している人にとっては何か不都合な点があるのではないかと思うのだが、大阪の人に直接、尋ねたことはない。


 さて、11月23日に関西将棋会館で「第43回将棋の日in関西」が開催された。11月の「将棋の日」の関連行事は全国を巡回するイベントが有名だが、この日・この種のミニイベントはわざわざ九州から見に行くことでもなさそうだ。しかしながら、今回のメインのプログラムに「菅井王位vs稲葉八段」の公開対局があったので、訪れる気になった。

 菅井王位はタイトル獲得後、成績のほうが今ひとつスッキリしない。おそらく祝賀会などに振り回されて生活や勝負のリズムが乱されているのではないかと懸念するところだ。でもそのうち、従前の勝負勘をとり戻してくれるに違いないと期待している。
対局は先手・稲葉八段、後手菅井王位で始まった。注目の後手の作戦は期待通りの振り飛車(ごきげん中飛車)。
序盤の途中図は後手が22手目、42銀を31銀と引いたところである。手損であるが、こういう自由奔放とも思える斬新な指し手が彼の棋風でもある。将棋は中盤に後手が74手目、28角から19角成と香車を拾ったあたりでは後手指せるのではないかと思っていたが123手で先手が勝利した。
全般的な内容として、振り飛車の左側の金銀が捌きながら中央に盛り上がってくれたし、白熱した内容で十分満足した。

稲葉陽vs菅井竜也.kif 直