ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

磯谷祐維女流2級

 9月11日に17期マイナビ女子オープンの本戦トーナメントの一つがあった。

 先手・磯谷祐維女流2級vs後手・加藤桃子女流4段

 磯谷さんは9月1日付で女流プロになったばかりだがその前のアマでの活躍ぶりが目覚ましい。私が注目したきっかけが「全国アマレーテイング選手権」で今年の5月に行われた第44回大会で3位になっている。女性初の上位入賞で、他のアマ棋戦においても女性の上位入賞は初の快挙であったからだ。

 このマイナビ予選においても山口恵梨子女流2段と加藤圭女流2段を連破して本戦入りを果たしていた。

 そしてこの日、加藤4段に対してどんな戦いぶりをみせるかデビュー戦でもあり、いやがうえにも注目せざるを得ない。磯谷さんは居飛車党なので(これが一番私にとって残念なこと)戦型は相居飛車戦になったが先手となった磯谷さんはタテ歩取り(歩は取らなくても)模様からひねり飛車を選択した。ひねり飛車は遠回りした振り飛車みたいなものだ。そして、どことなく昭和の将棋を惹起させるものがある。おそらく今の女流棋界にこういう将棋を指す者はあまりいないのではなかろうか。対する加藤さんは序盤の一手一手に時間を小刻みに使いながら慎重に指していたようだ。勝負は128手で加藤さんの勝ち。普通の振り飛車戦を観るような感じで面白かったし特に終盤はお互いに見所がありとてもよかった。磯谷さんにとっては苦いデビュー戦となったがその強さは十分に見せていただいたと思う。今後のプロとしての活躍に期待するものです。

 

今回の詰将棋:9手詰