杉本昌隆七段vs森信雄七段 第5期竜王戦
途中図は玉の囲い方が金無双対穴熊戦における駒組の頂点である。この局面のように本格的な戦闘開始前において全ての駒が立ち遅れることなく活き活きとたたずんでいる形を美しいなと思うことがある。詰将棋の世界でもよく思わず解いてみたくなる初型の美しさとか、詰上がりにあっと感嘆させられるような美しさに出会うことがある。指し将棋の世界ではよく投了図の美しさということが云われることがある。それは多分に潔さの美と云うか、なにか精神的なものを感じさせられる。私にはむしろこういった駒組の頂点における局面にそれぞれの駒の息吹がきこえてくるような美を感じさせられることがあるのだ。
▽45銀 ▲55銀 ▽54銀 ▲44銀 ▽22角 ▲94歩 ▽同歩
▲74歩 ▽45桂 ▲53銀成 ▽66角 ▲62成銀 ▽同金 ▲66飛 ▽36歩
▲73歩成 ▽同金 ▲85桂 ▽55角 ▲73桂成 ▽同銀 ▲46角 ▽37歩成
▲同銀 ▽同桂成 ▲同金 ▽36歩 ▲55角 ▽同銀 ▲36飛 ▽同飛
▲同金 ▽66桂 ▲48金 ▽59銀 ▲49金打 ▽48銀成 ▲同金 ▽59銀
▲49金打 ▽48銀成 ▲同金 ▽58金 まで92手で後手勝ち。