ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

懸賞詰将棋の解答

6月1日付、「門脇賞受賞記念・懸賞詰将棋」の解答です。

*93角 同香 92金 同銀 同桂成 同玉 84桂 82玉 72桂成 同銀 71銀 同玉 62金 82玉 72金 同玉 73金 81玉 82銀 92玉 83金 同玉 73馬 92玉 91銀成 まで25手詰。

<主な短評>

*上手い初手。気持ちよく捌けて解後感爽快です。

*実戦で93角を指せたら気持ちいい!最後は金捨てから軽やかに清涼詰!

*正解手順にたどり着くまで九日かかりました。妙手93角はなかなか浮かびませんでした。

*初手93角が意表でした。

*初手93金が第1感でしたが63玉の逃げで詰まないので堂々巡りの試行錯誤で長時間かかりました。

*門脇賞おめでとうございます。長崎には高校総合文化祭で行ったことがあります。これからもがんばってください。

<解答総数など>

9名の方にご解答いただきました(全員正解)。

賞品辞退者を除き、全員へ6月16日に発送いたしました。

「門脇芳雄賞」受賞記念・懸賞詰将棋

 詰将棋界でなんといっても最高の表彰制度は「看寿賞」である。

実はもう一つ歴史は浅いが「門脇芳雄賞」というのがある。制度の趣旨は「詰将棋の普及・発展に貢献された方」とあり、やや地味に感じられるかもしれない。これまで主だった受賞者をみてみると、浦野真彦八段、宮田敦史七段、藤井聡太七段のプロ棋士を始め、詰将棋界の大立者ともいえる若島正氏など、実はそうそうたる面々が名をつらねている。

 その「門脇賞」を今年度は私にという通知をいただいた。最初は<この私が・・・>というのが率直な気持ちだった。振り返るに、30代のころ詰将棋パラダイス誌上で初心者コーナーを担当して実績を残したことなどが受賞の大きな要因だと知り、ありがたくお受けすることにした。現在の詰将棋界には私以上に詰将棋の普及に尽力されている人が存在すると思っている。そういった方々の励みになればとも思っている。

 今回の受賞を記念して懸賞詰将棋を出題します。受賞の原動力にもなった書籍4点「詰将棋入門」「詰将棋の道」「詰将棋の道2」「詰将棋の道3」をセットにして10名の方にプレゼントいたします。

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*ヒント:「銀冠図式」を作ってみました。実に気分よく捌ける作品に仕上がりました。25手詰。

*メールアドレス:tumeparashou@yahoo.co.jp

*解答の際、手順・住所・氏名を記載すること。

*解答締め切り:6月15日

 

詰将棋の解答(5月ブログ分)

5月5日分*71飛 62玉 73飛成 51玉 42角成 同金 43桂 同金 41金 52玉 61銀 同玉 63香 52玉 62香成 41玉 43龍 31玉 32金 まで19手詰

5月12日分*21龍 31金 53桂 42玉 52銀成 同玉 41角 42玉 32角成 同金 41龍 33玉 44龍 まで13手詰

5月15日分*53桂打 同金右 同桂生 62玉 61桂成 同玉41龍 62玉 71馬 63玉 52龍 同玉 53金 41玉 42金打 まで15手詰

5月18日分*35桂 同金 55桂 33玉 44銀 同玉 42龍 55玉 53龍 まで9手詰

5月20日分*64桂 同歩 63銀 同金 84桂 同歩 71金 82玉 83香 同玉 72銀 82玉 81金 72玉 71馬 83玉 82馬 まで17手詰

5月23日分*92金 同香 91銀 72玉 81角 71玉 82銀打 同銀 同銀成 同玉 92角成 同玉 81銀 82玉 92金 71玉 72香 同金 同銀成 同玉 62金 まで21手詰

金無双が止まらない

「金無双百番」の創作秘話みたいなことである。

昨年1年間は金無双図式を精力的に作図していたが発端は棋譜並べである。振り飛車党である私は相振り飛車に限って並べ始めたが一局並べるたびに互いの金無双囲いのつぶし合いを体感することになる。すると時折、金無双がつぶされながら詰将棋にしてほしいとささやいてくるように感じられた。「神が降りた」といったら言い過ぎになるが詰将棋らしい寄せのアイディアが浮かび始めたのである。詰将棋作家はこういった作図の動機づけがひらめいたら、じっとしていてはいけない。徒に不作為でいると、幸運の女神は自然と去っていってしまうものである。そして作品集ができるほど作りまくったのである。年が変わり2020年、少しは落ち着いた。きっと金無双図式をみるのもイヤになっているのではと思われるかも知れない。でもそういうことはない。きっと振り飛車が根っから好きなのだろう。そして、美濃囲いと共に金無双が一番美しい囲いだと信じている私自身がいるからなのだ。

今回の詰将棋:21手詰

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ひねり飛車の変貌

第2期六社戦決勝戦米長邦雄vs加藤博二・昭和44年12月5日)より、下記の途中図を見てほしい。

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一目、この将棋はスタートから相振り飛車の途中経過と映る。これが実は先手ひねり飛車からこういう風になった。互いの2筋、8筋の歩がせっかくきれていたのに修復されてしまっているので、尚更の感がある。途中図より相振り独特のねじり合いの攻防が続くから将棋は面白いものである。まれに、ひねり飛車は相振りもどきになることがあるので要注意なのだが・・・。

今回の詰将棋:17手詰

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マイナビ第4局

5月18日、第13期マイナビ女子オープンの第4局が行われた。先手西山さんの55歩位取り中飛車で始まった。

後手加藤さんは金銀4枚をひきつける守備体制を整えると早々に仕掛け、飛車角の総替えとなった。8筋で先手は飛車で桂香を拾い、同じく後手はと金で桂香を拾った。互角とみていたが59手目先手62角が好手で後手は飛車を守備に投入するも続く先手52歩の垂れ歩が活きて後は終始先手のペースで推移して105手で先手が勝利した。これで2勝2敗となりタイトルの決着・第5局は6月3日に行われる。

今回の詰将棋:9手詰(マイナビ第4局の投了図をヒントに詰将棋を作ってみました。)

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マイナビ5番勝負の行方

第13期マイナビ女子オープンのタイトル戦が進行中であるが、5月12日第3局を終わった時点で西山朋佳女王が1勝2敗と苦戦をしいられている。負けた2局の内容がすこぶる悪い。彼女らしい将棋がまったく指せていない。

まさか開始が遅れている三段リーグが精神的に影響していなければといたらぬ心配までしてきそうである。

 さて、第三局にあらわれた三間飛車・早仕掛けだが振り飛車棋譜並べをしているときに偶然、古い棋譜を発見した。

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第8回古豪新鋭戦(昭和39年8月28日)での中原vs米長戦(後手が米長)。21手目先手が45歩と突いた局面である。この後、45同歩、33角成、同桂、24歩 46角と進み、将棋自体は後手が勝っている。この早仕掛けは互いの駒組のどの時点でやってくるか注意しながら、特に振り飛車側は指すように心がけるべきだろう。

今回の詰将棋:15手詰

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