ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

B1順位戦9回戦

12月5日菅井7段は屋敷9段と対戦した。

菅井7段は角交換振り飛車で圧勝した。これで8勝1敗となり単独首位をキープした。2敗で追いかける棋士が2人。残る3つの対局を2勝1敗で昇級確実だがまだまだ油断ならぬものがある。しかしこの好調さを維持できればとフアンとしてはそう信じるしかない。

今回の詰将棋は47手詰。二つの詰将棋を解いている感じなのでさほど手数の長さは苦にならないと思います。

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どうなる久保将棋

 12月4日はA級の第6回戦久保9段vs稲葉8段戦があった。久保9段はここまで1勝4敗で降級争いの先陣を切っている。

 さて、その将棋は途中まで久保さんがよかったが、なんと逆転負けしてしまった。リードしていた分、どうも守りに入ったのが原因らしい。どんなゲームにも積極性を欠いたら良いことはない。好事魔多しの類いだろう。残り3つを全部勝っても4勝5敗、これで落ちた例もあるが残留を信じて一戦一戦を積み重ねるしかないだろう。

今回の詰将棋は23手詰。

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女流王座戦第4局

 12月4日に女流王座戦第4局が東京将棋会館で開催された。西山朋佳女王が一気にタイトルを奪取するか、それとも里見女流王座がタイに持ち込み最終戦決着となるか注目の一戦である。

 先手里見さんが26歩、後手西山さんが34歩で始まった将棋はやがて後手の3間飛車となった。最近の里見さんは相振り飛車を避けているようにしか見えない。相手によって居飛車のほうが組みし易いということかもしれないが私には前者のようにしか感じられない。さて将棋の進行のほうは中盤以降後手が指しやすい状況が続き、そのまま144手で押し切った。残り時間も余し勝ちといったところか。これで西山さんは3冠となり、一つ、二つと里見さんからタイトルを取り上げるという感じになってきた。

 西山さんの融通無碍ともいえる「自分には振り飛車しかない」と自由にのびのびと指し続ける姿勢に私は共感している。三段リーグも頑張ってほしい。

今回の詰将棋は29手詰。

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詰将棋の解答(11月ブログ分)

11月2日分

*84桂 82玉 92金 同香 91銀 93玉 82銀打 同銀 同銀生 同玉 92桂成 同玉 93香 82玉 91飛成 72玉 84桂 同歩 83銀 同玉 92龍 まで21手詰

11月3日分

*83銀 同銀 61角 同金 83歩成 同玉 84銀 92玉 93銀成 同桂 84桂 81玉 92金 同飛 同桂成 同玉 93桂成 同玉 94飛 82玉 83歩 81玉 73桂 同金 91飛成 72玉 61龍 83玉 81龍 82歩 94金 まで31手詰

11月4日分

*53金 同金右 72銀 同玉 71と 83玉 61角 93玉 82銀 92玉 81銀生 93玉 92銀成 同玉 52龍 同金 83金 91玉 81と 同玉 72角成 91玉 82馬 まで23手詰

11月6日分

*64桂 同歩 63銀 同金左 61銀 82玉 93金 同玉 85桂 92玉 93金 同桂 85桂 92玉 93金 同桂 同桂成 同玉 85桂 92玉 62龍 同金 93金 81玉 73桂生 同金 63角 71玉 72銀成 同金 同角成 同玉 83金 61玉 62歩 同玉 63金 61玉 72金左 51玉 52金 まで37手詰

11月8日分

*64桂 81玉 72金 92玉 82金 同玉 74桂 同歩 72桂成 同玉 73銀 同玉 64角成 62玉 73銀 51玉 62銀打 同金 同銀成 同玉 53歩成 71玉 72歩 同玉 73金 71玉 62と 81玉 82金 まで29手詰

11月9日分

*94角 71玉 63桂打 同金左 同桂生 81玉 71金 同角 同桂成 同玉 82角 81玉 72銀 同金 71金 同金 同角成 同玉 72金 まで19手詰

11月10日分

*82銀 同玉 74桂 同歩 72桂成 同玉 82金 61玉 72銀 同金 同金 同玉 73香 同桂 64桂 62玉 52桂成 同玉 63角 同玉 64金 52玉 51金 62玉 73金 71玉 63桂 81玉 82金 まで29手詰

11月11日分

*62角成 同金 63金 81玉 72金打 92玉 82金 同玉 73角 93玉 83桂成 同玉 84銀 92玉 93歩 81玉 82角成 同玉 73桂成 91玉 92歩成 同玉 83銀成 81玉 82成桂 まで25手詰

11月12日分

*83角 71玉 82銀 同銀  72銀 同金 同角成 同玉 64桂 73玉 74金 同金 82飛成 同玉 72馬 92玉 83銀 まで17手詰

11月13日分

*84桂 同歩 71金 83玉 75桂 93玉 83金 同銀 82銀 92玉 81銀生 93玉 83桂成 同玉 75桂 93玉 82銀 同玉 72金 同金 同銀成 同玉 83金 62玉 52角成 同玉 42金 62玉 51龍 まで29手詰

11月14日分

*74桂 92玉 81飛成 同玉 71金 同玉 62桂成 同金 81金 61玉 52銀 同玉 42金 61玉 53桂 同金 71金 同玉 53角成 82玉 71馬 同玉 72金 まで23手詰

11月15日分

*71飛 72銀 85桂 82玉 91飛成 同玉 92金 同玉 93桂成 同玉 94香 84玉 93角 73玉 85桂 63玉 64歩 同玉 65銀 63玉 64歩 同銀 54銀 まで23手詰

11月16日分

*61銀 同金 同飛成 同玉 52金 同玉 43角 62玉 52金 71玉 63桂生 同飛 61金打 72玉 64桂 同飛 54角成 同飛 62金 まで19手詰 

11月17日分

*81銀 83玉 92銀生 同香 82金 同銀 同角成 同玉 91角 72玉 83銀 同玉 81飛成 まで13手詰

11月18日分

*81銀 71玉 83桂 同銀 82銀 同玉 94桂 81玉 73桂 71玉 82銀 72玉 81銀生 71玉 72歩 同銀 同銀成 同金寄 61桂成 同玉 52金 71玉 82銀 同金 同桂成 同玉 83歩 92玉 82金 まで29手詰

11月19日分

*64桂 71玉 72銀 同金 同桂成 同玉 61銀 同玉 51と 同金 62金 同金 同歩成 同玉 63金 51玉 52銀 42玉 43銀成 41玉 52金 31金 32成銀 まで23手詰

11月20日分

*63銀 82玉 71飛成 同玉 62銀生 同玉 63歩成 同玉 64銀 72玉 73銀打 同桂 同銀成 同玉 85桂 63玉 64銀 62玉 73銀成 52玉 53金 61玉 62成銀 まで23手詰

11月21日分

*63金 同金 61角成 同玉 52銀 62玉 61金 72玉 63銀成 同玉 72角 同玉 62金打 まで13手詰

11月22日分

*73銀 同桂 同桂成 同金 81銀 同玉 82銀 同玉 74桂 72玉 81角 同玉 82銀 92玉 91銀成 93玉 75馬 84歩 85桂 83玉 73桂成 同玉 65桂 72玉 73金 61玉 62桂成 同金 同金 同玉 53馬 72玉 73金 61玉 62金 まで35手詰

11月23日分

*83角 81玉 72銀 同金 同角成 同玉 83桂成 同銀 73桂成 71玉 72金 同銀 同成桂 同玉 64桂 81玉 72銀 91玉 73馬 82金 同馬 同玉 83金 91玉 81銀成 同玉 72桂成 91玉 82成桂 まで29手詰

11月24日分

*52銀打 71玉 62香成 81玉 72成香 同銀 71金 92玉 82金 同玉 72金 同玉 62銀成 同玉 63金 71玉 72銀 82玉 83銀打 91玉 81銀成 同玉 72金 91玉 82金 まで25手詰

 11月27日分

*63桂 81玉 72角 同金 93桂 同銀 71金 同金 同桂成 同玉 72金 まで11手詰

11月28日分

*62銀成 同金 64桂 81玉 82銀 同玉 83角成 同玉 74金 92玉 83金打 81玉 82歩 同銀 72桂成 同金 同金 同玉 64桂 81玉 72金 92玉 82金 同玉 73桂成 同銀 83銀 93玉 85桂 まで29手詰

11月29日分

*74桂 71玉 72金 同金 同銀成 同玉 83角 同玉 92角 72玉 81角成 83玉 92馬 72玉 82馬 61玉 53桂 同金 62金 まで19手詰

山本博志四段もビックリ

次の局面図は前ブログで紹介した朝日杯の稲葉vs菅井戦の後手が10手目32飛としたところです。

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まずは3間飛車のスペシャリスト山本4段のツイッターにおけるコメントを紹介したい。

*菅井先生の将棋興味深いですね。流石の捌き。

 (中略)

*かなり衝撃を受けて今期一の新構想と思っています。

*この3間飛車マスターすべきか。

 

 さて、軽快な捌きが求められる3間飛車にその飛車角の頭の上に重くのしかかる33金。これをどうやって捌いていくのだろうと心配する前に、こうした着想はあたかもコロンブスの卵のごとき発見に近いものだ。さて、実戦は金が立つ。銀が舞う。飛角が流れるような捌きをみせる。まさに振り飛車の捌きとはこういうものだというお手本のような一局となった。

 この将棋をじっくり味わうこともよいが、一気呵成に並べる心地よさも憚りなく喧伝しておきたい。

 

菅井将棋が2局

 11月28日は第13回朝日杯将棋オープン戦2次予選の日だった。

 まず、午前に菅井7段は中村(亮介)6段と対戦した。

先手番となった菅井7段はいきなり3間に振った。中村6段は相振りの対局も多い振り飛車党なので当然相振りになると思いきや居飛車を選択した。将棋は139手で先手が勝利した。

午後から稲葉8段と対戦した。後手番となった菅井7段は本局でも3間飛車を採用し、96手で勝利した。

菅井7段はこの日の2つの勝利で本戦トーナメント進出を決めた。

 今まさに、A級にのぼらんとする勢いそのままにこの朝日杯または叡王戦で勝ち進んでもらいたいものだ。この1年、振り飛車フアンにとって楽しいことはひとつもなかった。輝いているのは女流の将棋ばかりだ。岡本太郎の痛快語録である「芸術は爆発だ」を実践するまたとない機会がすぐそこまできていると私はみる。

今回の詰将棋は19手詰。

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マイナビ本戦より

 11月27日は女流王座戦第3局がメインの注目局であったが、実はもう一局、第13期マイナビ本戦より、岩根忍女流3段対加藤桃子女流3段の対局が行われていて、時折気になるのでこちらものぞいていた。

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 後手の3間飛車で始まったこの将棋は上記図の90手目45桂に対して先手が46玉と上がった局面である。ここで44角成と引きつければ後手有望だったが44銀上としたために36玉以下かわされたが同じようでも44馬であれば捕捉できたらしい。岩根さんとしたら残念な敗退となった。

今回の詰将棋は29手詰。

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