ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

金美濃

 相振り飛車における玉の囲い方は今でこそいろんな囲い方がありますが、戦法としての相振り黎明期のころは「金無双」が主力で実はもう一つ影の主役が標題の「金美濃」でした。

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 上記の図のように72金・62銀の形を「金美濃」といい、左金は51金というふうに銀と連携を組んでいることが一般的です。この囲いの特徴は手数がかからない反面、8筋を守っているのが金一枚のため、8筋を破られた時、例えば83飛成とされた時にはすぐ詰めろがかかるなどの欠点があります。昭和50年代に内藤國雄九段が相振りを指された時に「金無双」主力で、そうでなかったら時折この「金美濃」を指されていたのが印象に残っています。

今回の詰将棋は19手詰。金美濃の話しをしたのでこの囲いに因んだ詰将棋を作ってみました。

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困惑した振り飛車

 10月10日アベマTVの朝日杯中継での出来事である。野月浩貴8段vs金沢孝史5段の一戦。あまりなじみのない金沢5段がどういう将棋を指しているかと途中からのぞいてみた。するとなんと野月8段が向い飛車をしていた。これには正直驚いた。私の中には「100局指しても振り飛車をしない人」というリストがあり、その中に野月8段も入っていたからだ。これからは一応チェックしなければなるまい。さて、将棋のほうは振り飛車をそつなくこなし、収束では華麗に即詰に打ち取っていたから、このあたりはやはりプロの証しなのであろう。

今回の詰将棋は15手詰。

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豪腕さえる

 10月5日に第41期霧島酒造杯女流王将戦が行われた(3番勝負第1局)。先手西山朋佳女王vs里見香奈女流王将の対戦である。戦型は相振り飛車

 下記途中図は66手目後手が59角と打ちこんだ局面である。先手の陣形は79銀が立ち遅れているし何となく攻めている後手が指しやすいように思える。しかし、ここから先手の猛攻が始まる。多分、後手がどこかで受けを誤ったのだろうが、こういう攻めっぷりがよい将棋はみていると気分がスッキリするものだ。139手で先手の勝ち。

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今回の詰将棋は15手詰。

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相振りを求めて

13期マイナビ女子オープンの16名による本戦トーナメントが始まっている。10月10日は里見咲紀女流初段vs岩根忍女流3段の一戦だった。戦型は期待通りの相振り飛車。下記図は84手目後手の岩根さんが66歩と打ったところ。これに対して先手の里見さんは57金とかわした。ここは強く同金と取り以下同桂、同飛で相手陣営の5,6筋を狙うのが勝負手ではなかったろうか。後手は46歩以下快調に攻めて130手で勝利した。

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 今回の詰将棋は19手詰。

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棋王戦より

第45期棋王戦本戦トーナメントから久保9段vs佐藤9段の対局中継が10月8日にAbemaTVであった。

 下記図は先手久保9段の石田組に対して昔よりよくある84金とせり上がって攻める作戦をとってきたところ先手が67金と上がったところです。以下の進行はお互いに飛車の働きがままならない状態が終盤まで続き、これに代わって角の使用法が勝負となった。先手の持ち角対後手の馬という構図になったが勝負は118手で後手が勝利した。振り飛車、散って誠に残念です。

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 今回の詰将棋は23手詰。この詰将棋は頭6手を逆算で導入しました。実際解いてみるとなるほど逆算とはこういうふうにするものなんだなと少しは納得していただけると思います。

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謎の棋士

 10月5日は叡王戦8段予選。午後2時から橋本8段vs糸谷8段戦。先手橋本8段はノーマル3間飛車で中盤51手目に69飛車打ちと飛車を縦に並べて渋く受けるも収束ではこれが2枚馬に代わって相手玉を追い詰めて快勝した。午後7時から本戦入りをかけて真田8段と対戦した。今度も先手中飛車で戦ってくれたが残念ながら負けて本戦出場ならず。橋本8段はオールラウンドプレイヤーだが、この日は振り飛車を2局なかなかうまく指されていて、ハッシと勝ったり、負けたりでどうも謎が多い人のような気がする。

今回の詰将棋は25手詰。

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嬉しさも中くらいなり・・・

 10月3日にB1順位戦6回戦が行われた。菅井竜也7段は畠山鎮8段に勝って、抜け番ナシということもあり、5勝1敗で単独首位にたった。でも将棋の内容があまり面白くないのだ。先手畠山8段が早々に78玉としたために、後手菅井7段は84歩と突いて居飛車にした。こういう指し方があるということは理解している。そして終局図では後手は居玉でおまけに左右の金が横に張り付いたままなのだ。こういう勝ち方が強かったといえるのかどうか、私には居飛車の将棋はさっぱりわからない。振り飛車フアンは振り飛車の将棋が見たいだけにすぎない。

今回の詰将棋は21手詰。

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