ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

糸谷竜王が文藝春秋に登場

文藝春秋5月号に新竜王が登場している。
この本には羽生さんや渡辺さんが記事になるのはよく見るが糸谷さんは初めてではないだろうか。
それだけ、竜王という肩書が大きくものをいうのであろうし、そのことはご本人が一番身近に感じられていることだろう。

記事の内容は「聖の青春」の著者・大崎善生氏(最近では一小説家として定着されている)との対談の形式である。
対談といっても大崎氏の質問に対して糸谷竜王が答えると言うパターンである。

その中から3点ほど紹介する。

Q:哲学は将棋のために研究されているのですか?
A:どちらも自分の人生のためです。目的は人生自体であって、将棋でも哲学でもないです。


Q:師匠の森さんは両立(将棋と哲学)は難しいのではないかと言っていますが。
A:二つのこととか三つのことをマルチにやっている方が伸びる部分は必ずあるように思う。一つのことをずっとやっていくことによって怖いのは、その世界の固定観念のなかに入ってしまって、そこから抜け出せなくなることだと思っています。


Q:Comが人間の脅威になっているけれど、ソフトで研究したりすることはありますか?
A:私はあまりやりません。ただComをちゃんと分かっている人がやらないと非常に危険だと思っています。ソフトと一緒に研究をするときソフトに流される人は結構多い。信頼できるものだとして扱ってしまうと、それはまた違う神を作っているだけで、あまり実戦には意味ないですね。結局、自分を向上させるには、自らの頭で考えなければなりません。

このほか、哲学がらみ(哲学を例えにしながら)の受け答えの問答も多く、よく噛み砕いて読んでみる必要もあるが、全体的になかなか興味あるインタビュー記事であった。