ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

藤井猛九段

第53期王位戦7番勝負がいよいよ7月10日から開幕する。
6月28日付の私のブログでも紹介したように第3局は長崎市で開催される。
主催新聞社の一つである西日本新聞の7月3日付にこのタイトル戦の特集記事が掲載された。
記事の内容は二人の成績、タイトル戦への抱負、深浦九段と青野九段による対局展望である。


両対局者のこれまでの対戦成績だが、47局あり、羽生王位からみて33勝14敗である。
直近の10局を見ると、藤井九段の10連敗であり、直近の20局でも藤井九段の1勝19敗である。
これではまるで蛇に睨まれた蛙みたいだが、初手合いから27局まではほぼ勝敗は拮抗していたのである。
藤井九段が竜王のタイトルを所持していた頃はやはりその実績通り強かったのである。


藤井九段は昨年度順位戦もB1からB2に陥落してしまったが、フアンとして期待を膨らませて良い要素はある。
一つには新年度になって、5勝3敗とやや復調の兆しがある事。
青野九段「藤井九段はこれまでに勝ってきたタイトル戦は2日制の対局。2日制は自分の土俵だという思いがあれば、今回の王位戦はだいぶ、気持ちも違ってくると思います。」
深浦九段「藤井九段は序盤から中盤にかけてのアイデアを沢山持っている。それをまとめるのに、持ち時間が長いというのは好条件になる。」
と両九段が対局展望で語っていた。

振り飛車党の私としては、久しぶりにタイトル戦で振り飛車の将棋が見れそうなのは楽しみである。
藤井システムに、角交換振り飛車、おまけに相振り飛車も1局ぐらいあるといいなと思っています。
最後に両対局者の開催にあたっての抱負を紹介いたします。

羽生王位:藤井さんの将棋は、振り飛車でも居飛車でも独創的な指し回しで、誰もまねできないところがあります。今期王位戦のリーグ戦、挑戦者決定戦は藤井さんらしさが随所に出ていたように感じました。私の方はタイトル戦が続きますが、内容的にも結果的にもムラが出ないようにしたい。藤井さんの「角交換振り飛車」と「藤井システム」。どちらも先手と後手の時で違いがあるように思うので、その辺りを意識して戦うことになるでしょう。序盤から見所の多い将棋を、と思います。

藤井九段:ここ数年成績が振るわなかったのですが、王位戦では不思議と勝てています。今期はリーグ戦を2連勝でスタートでき、波に乗ることができました。挑戦者決定戦で渡辺明竜王に粘り勝てたのも自信になりますね。リーグ戦、挑戦者決定戦を「角交換振り飛車」と「藤井システム」で戦ってきましたが、最近「藤井システム」で勝てていることはうれしい誤算です。羽生さんとは数多く対戦していますが、最近はまったく勝てていません。もう少し力をつけて頑張りたいと思います。