ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

囲碁将棋トップ対談(文藝春秋)

「若き天才の思考法」と題して、井山裕太囲碁棋士棋聖)と渡辺明将棋棋士竜王)の対談が文藝春秋11月号に掲載された。以下、記事の骨子。


 グローバル性について

井山:海外の囲碁事情では中国、韓国、台湾にプロ組織がある。近年は日本が中国、韓国に圧倒されている。日本のように長い伝統がない分、定石にとらわれない。序盤の研究などではあちらのほうが進んでいる。日本のプロ棋士中韓の碁をリアルタイムでネットで見て勉強している。そうしなければ遅れをとってしまう。

渡辺:将棋は海外にプロはいない。ネットで最新の情報をチェックするのは将棋界も一緒です。


 ネットの関わりについて

渡辺:普段は将棋盤ではなくパソコンの前にいる時間が圧倒的に長い。ある手順をしばらく続けた後に、もとの局面に戻そうという時なんて一瞬です。だから、対局以外で駒に触ることは滅多にない。

井山:僕はやはり正座して碁盤に向かい、石を自分で並べないと頭が働かない。将棋ほどコンピューターを使う必要がない。それを活用するのはネット中継とネット対局ぐらいです。



 いつから始め〜プロになった時期。

井山:父が買ってきた囲碁のゲームソフトでルールを覚えた(5歳)。その後、アマ6段だった祖父の下で付きっきりで教えてもらった祖父が通う碁会所に一緒にいった。小学校2年生のとき、小学生名人戦で優勝。中学1年生でプロ棋士となる。

渡辺:アマ5段の父が将棋道場に通っており、それについていくうちに自然とルールを覚えた(6歳前後)。小学校4年生のとき、小学生名人戦で優勝。中学3年生でプロ棋士となる。



 お互いに同世代にライバルなし

井山:囲碁界には一回り上の平成四天王という同世代集団がある。なかでも張栩さんを特に意識しました。実際に戦ってみると、やはり他人と少し違うんです。独特の強さで、難しい局面での決断力とかが、やはりすごいです。

渡辺:自分が一番意識する存在はやはり羽生さんです。とにかく他の人とは強さの質が違う。なんて言ったらいいのか、「怖いからこの手は指さないでおこう」というような感覚は羽生さんにはない。人間離れしているところがあって、あそこまで感情をコントロールできるって考えられない。