ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

即詰を逃した久保二冠

本日(3月4日)放映されたNHK杯準決勝の渡辺・久保戦。

図面は113手目、先手渡辺竜王が94歩と取り込んだところである。
114手目久保二冠の手番。
詰キストなら67銀、同銀、77飛などを読むが、解説の谷川九段は「一目詰むはずだが、手順が良く分からない」とのこと。
本手順は77銀、同銀、同金、同玉、76飛、88玉(68玉は56桂以下、67玉は56銀打以下)、79銀、89玉(98玉は97歩以下)、88銀打、98玉、96飛以下詰み。
これを久保二冠は67から精算して67同玉に69飛以下寄せそこなった。
本来、こういった77から精算して65銀を拠点に76飛と打って俗手っぽく寄せるのはむしろプロは得意ではなかったのではないか。
やはり、秒読みの中では無理だったかもしれない。
指運が悪かったと云えばプロに対して失礼にあたるかもしれないが、久保フアンとしては誠に惜しい一局だった。
これで久保二冠は対渡辺戦は公式戦3連敗となり、まだ勝ち越しているとはいえ通算成績も11勝9敗となった。
現在進行中の王将戦棋王戦、なんとか頑張ってもらいたいものである。