ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

対局は勝負、詰将棋はアート

 書店の新書コーナーで、中央公論新書刊行の高橋和著「女流棋士のONとOFF」という本が目にとまり、購入して一気に読んだ。
 現在は子供を主体として、普及にあたっておられるが、彼女は現役を引退して、もう5年も経つのですね。「詰将棋」という章で書かれている中から、印象に残ったことを二,三点紹介したい。
 まず、強くなるためには戦法を勉強することも大切だが、詰将棋の効用を説かれている。
1 玉を捕まえる形を覚えられる。
2 頭の中で駒を動かすことが鍛えられる。
3 解くことで集中力を養える。
 この3つは将棋の基本ともいうべき柱であり、強くなるための必要不可欠な要素が詰将棋には詰まっている。よって、詰将棋と実戦さえすれば、アマ3級にまではなれるというのが彼女の持論である。私の体験からすると、初段までは十分なれるのではないかと思っている。
 次に、詰将棋を解く側も作る側もマニアと呼ばれるほど、詰将棋の世界は本将棋とはまた別に奥深いものがあり、プロ棋士たちでも詰将棋作家のマニア度を超えることは非常に難しい。では、お金を稼げるわけでもないのに、詰将棋作家たちはなぜ詰将棋を作り続けるのか、いろいろな答えがあるだろうけれども、解図の際、「相手が困ってくれる快感」が一番ではないかというのが彼女の考えである。私は、仲間内に「いい作品だったと認めてもらえたときの喜び」かな。先に述べたように、いろんな考え方があるに違いない。いちど、詰将棋作家にアンケートを採って見ると、興味深い結果が得られるかも知れませんね。
本日の詰将棋:5手詰