ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

ネット配信将棋(その3)

今回、紹介するのは「将棋女子藤田葵チャンネル」である。

振り飛車サポートセンター」というコミカル動画でも注目されている。最近、「将棋ウォーズ」で初段になった女性である。

 彼女はがんじがらめの振り飛車党という点が気に入っている。

少しでも居飛車を指すなら恐らく私はみ向きもしないだろう。

当然、配信動画も振り飛車で相手も振るなら相振り飛車となる。

このサイト、相振り飛車戦が多いのがとりわけ魅力である。

普通、自分より棋力が低い人の将棋をみているとイライラしがちである。

その点、いっしょに考え、特に終盤などはこう指したら詰みがあるのにとか思いながら見ている。

勝っても負けても感想戦をするところがよい。

チャットのコメントも素直に受け入れている。

きっと、向上心が人一倍強い人なのだろう。

今回の詰将棋:21手詰

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詰将棋の解答(2月ブログ分)

2月2日*52馬 同金 73桂打 72玉 52龍 62金 同龍 同玉 54桂 72玉 82金 同玉 81金 72玉 71金 同玉 81金 72玉 61銀 まで19手詰

2月7日*61角 同金 73金 81玉 82金 同銀 61飛成 92玉 82角成 同玉 72金 83玉 81龍 94玉 83銀 84玉 92銀生 94玉 83龍 まで19手詰

2月13日*84桂 71玉 72銀 同金 同桂成 同玉 61銀 同玉 52馬 同玉 42馬 63玉 74金 同玉 75金 63玉 52銀 72玉 63金 71玉 61銀成 同玉 52金寄 71玉 62金寄 まで25手詰

ネット配信将棋(その2)

前回は藤森将棋を紹介したが今回はイトシンTVだ。

伊藤真吾5段のYoutubeである。

彼はデビュ-時は振り飛車党だった。

棋譜を追いかけて秘かに応援していたがいつの日か、振り飛車を封印してしまった。そのころから私の中で棋譜を気にかけない普通の棋士になってしまっていた。

しかし、このたびユーチューバーとして再び注目の人となっている。

 

2月12日の配信が「振り飛車縛り」と題して、全局を振り飛車で指すというものだった。中飛車から向い飛車まで全17局で13勝4敗、うち相振りが4局だった。

将棋をおもしろくたまらない遊戯として遊んでみせるその心意気がよい。それも、公式戦では指さない振り飛車であるが、アマにフアンが多い振り飛車でやってくれたことが素晴らしい。この日の配信もまた私にとって永久保存版となった。

今回の詰将棋:25手詰

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村山聖全局集

マイナビより出版されている「村山聖全局集」上・下巻を入手した。

 この本は一口に述べると、持病と共に子供のころから生き、17歳で4段になり、A級8段まで昇りつめて29歳で生涯を終えた一人の棋士が残した全棋譜の物語である。

 それぞれの本の最初の数ぺーじには「村山聖の声」と題して。彼の自戦記・インタビュー記事などが収録されている。

 読んで良かったと思われるのは次のような記事に遭遇したときである。

<時々自分の存在している意味を考える。自分が死んでも世の中は変わらないし人も変わらない。15歳の時本当に自分の生きている意味が分からなかった。>

<人間は必ず死ぬことが分かった。ならば好きなこと、やりたいことを全部やって死にたいと思った。死ぬときに満足して死ねたら最高だと思った。そして反省はしても後悔はしたくないと思った。自分のやってきたことは終わったことである。今、何をするべきか、何を考えるべきか、それが問題である。>などなど。

 私自身の10代・20代を振り返るに彼のような「死生観」を少なくとも真摯にいだいたことはなかった。おそらく彼は<来年なきを思い、今年に生きる>という覚悟で日々の生活を送ったのであろう。そういったプロ生活12年間で誕生した棋譜の数々である。棋譜の鑑賞は人によって様々である。それは棋力、将棋観などによって異なるからだ。本の表紙の副題には「魂、ここにあり」とある。

これがあながち誇張でないと感じられるように、一局、一局丁寧に棋譜並べをしていきたいと思っている。

今回の詰将棋:19手詰

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ネット配信将棋

 プロのタイトル戦に振り飛車戦がほぼ消滅して久しい。

 今や、興味の焦点は比較的振り飛車戦が多い女流将棋とネット配信による将棋に移ってしまった。

 最近、特に注目したのは2020・12・12に公開された藤森哲也五段による「負けるまで四間飛車スペシャル」だった。負けるまで戦った対局が全16局。うち、8局が相振り飛車で、残りは当然四間飛車の対抗型だった。10秒将棋とは云え、適切なコメントは圧巻だった。3時間という長丁場があっという間だった。いまだに時折再生して楽しんでいる。私にとって永久保存版である。

今回の詰将棋:19手詰

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詰将棋の解答(1月ブログ分)

1月1日分*24竜 同玉 25銀 同金 34金 まで5手詰

1月14日分*22角 同金 81龍 12玉 21龍 同金 同銀生 同玉 13桂 12玉 23金 同玉 33と 12玉 23と 11玉 61龍 21桂 同桂成 同馬 同龍 同玉 33桂 11玉 22角 まで25手詰

剛腕・強手は桑原流を彷彿

第34期竜王戦第6組ランキング戦が1月13日に行われた。

西山朋佳女流3冠vs室岡克彦7段の一戦。

下記途中図は先手が6筋の歩を交換して64銀と進出したところ、後手が63歩と指したところである。

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さて、先手は穏やかに指すなら75銀と引くところだが、なんと同銀成と取り、同金に64歩と打ち62金と引かれた。この局面で銀損である。これから先手は43角と打ち、以下攻め倒してしまったのが少々驚きであった(75手で先手勝利)。

 西山さんらしい剛腕・強手が決まったがもはや映画の世界での「ワンダーウーマン」といえば言い過ぎだが、少なくとも詰将棋で云えばまさに「桑原辰雄流」を彷彿させるものがある。

 こんなに強い振り飛車党、早くプロになってもらうのが楽しみで仕方がない。

今回の詰将棋:25手詰

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