ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

気になる二人

10月14日は私にとって、注目の対局が二局あった。

まずは、第46期新人王戦3番勝負第2局である。
第1局は大橋貴洸三段の圧勝だった。
菅井六段は先手で飛車を振ることができたにもかかわらず、勝負どころで踏み込み不足であった。
彼自身が終局後、「いままでの決勝3番勝負の中で一番酷い将棋なんじゃないですか」と自虐的に切り捨てていたぐらいである。
さて、どのように修正を図ったのだろうか、注目の第2局である。
戦型は先手(大橋)居飛穴vs後手(菅井)振り穴となった。

途中図は後手の35歩で本格的な戦いに入ったが、そこに至る数手の手順は千日手模様であった。
後手は飛車を犠牲に、80手目57角成と後手陣に迫ります。96手目89銀成以下、馬も捨て小駒のみで攻める。金2枚が飛2枚と入れ替わるも、その2枚飛車で寄せ合いの手勝ち(116手)となりました。
注目の雌雄を決する第3局は10月19日に関西将棋会館でおこなわれます。

大橋vs菅井.kif 直

次に、第65期王将戦挑戦者決定リーグである。
王将戦リーグは7名でリーグ戦をおこないます。
森内九段に先勝した久保九段は第2局目に佐藤九段と対戦しました。

先手久保九段の向かい飛車vs後手佐藤九段の居飛車でスタートしましたが、いきなり馬を作りあう力戦模様となりました。
途中図は52手目86歩と8筋突破を後手が目指したところですが、8筋にかまわず、54歩と垂らしたのが攻めの継続を図った好手でした。
75手目に2回目の54歩を拠点に敵陣の駒をはがしていく実に分かりやすい寄せでした。
久保九段はこの勝利で2連勝となり、4期ぶりの7番勝負に向けて好発進です。
極めて個人的思いですが、タイトル戦はやはり純粋の振り飛車党に出てきてもらわなくては面白くありません。残る対戦相手、難敵が多いですが頑張ってほしいものです。

久保vs佐藤.kif 直