ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

相振り飛車考

 将棋を本格的に指し始めたのは20歳の頃だから、かれこれ半世紀は経過している。あのころは大山・升田が最後の名人戦を戦っていた。新聞将棋では二人の振り飛車棋譜がよく掲載されていた。特に易しい駒組の4間飛車に興味を示し「振り飛車党」になった。と同時に仕方なく指していたのが相振り飛車であった。

 あの当時、相振り飛車の解説書といえば内藤九段の単行本ぐらいで、結論として相振りには定跡もなく手将棋になるということであった。

 

 そして、現代は相振りの単行本(多くは実戦譜)こそ出版されるようになったが確立された定跡はいまだにない。このことはある意味、プロ棋界の怠慢ではないかとすら思えてくる。多くのプロ棋士は(指さない戦法は研究しても意味がない)という意見だ。なるほど、アマの私だって指さない戦法は単行本すら買ったことはない。現状が続き、50年後将棋というゲームが存在していても状況は変わらないだろう。

 

 一つだけ希望がある。それは女流棋界だ。ひところ、75歩・35歩型の相3間飛車がよく指された。ある程度定跡化が進んだと聞く(公表されていないけど)。このように多くの実戦を経て定跡というものは生まれるものだ。

 最近、この手将棋となる相振り飛車も悪くないなと思えるようになった。手を作りだすというプロセスが詰将棋創作のそれとよく似ているからだ。私の「金無双」作品は相振り飛車好きから生まれ続けている。

 

今回の詰将棋:17手詰