ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

金無双 1

 相振り飛車における玉の囲い方のひとつに「金無双」がある。実はこの「金無双」という将棋用語が好きだ。なんといっても「無双」という言葉の響きが伊藤宗看の『無双』(詰むや詰まざるや百番)を連想させる点がよい。無双とは比べるものがないほどすぐれているというのが本来の意味である。金1枚では玉の守りには心もとない。金2枚で無類の守備力を発揮するということで、この言葉が生まれたに違いない。しかし、どんな戦法でも金そのものが攻撃に参加するのは稀で通常2枚の金は玉の守りについている。そういった中、相振り飛車だけにこの名があるのは実は珍しいことだ。今でこそ、美濃、穴熊、右矢倉、金美濃などが相振り飛車の実戦で出現しているが最初の頃はこの囲い方がベストなりということで「金無双」という名前まで付けられたのであろうと私は推測している。

今回の詰将棋は29手詰。

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