ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

詰将棋は物語

 盤上にそれぞれの意味付けを持った駒が存在している。その整然とした姿はこれから始まる物語の展開を待っている。やがて、正確な初手が着手され保たれていた姿は崩れ始めるが、一手進むごとに見る者を納得させ、あるいは感心を昂じさせつつ収束に向かって突き進んでいく。それは煙詰のようなミステリーなのか、それとも曲詰のようなファンタジーなのか、様々な感動を呼びこみながら、やがて終焉の玉の姿が観衆の前に現れる。

 詰将棋全国大会では看寿賞の作品がプロジェクターを介して大画面で展開・披露される。詰将棋創作にある程度の技量は有しているが看寿賞とは無縁のこの私が毎年、このシーンに出会うたびに思う率直な感想なのだ。

今回の詰将棋は一ケタの9手詰。

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