将棋教室で子供たちに将棋を教えている。指し将棋は自分より強い相手と指していると自然と上手くなっていくものだ。
その点、詰将棋はニュアンスが異なる。
詰将棋は基本的に人に教えるものではないと思っている。
それは詰将棋が感性の世界だからである。
感性とはなんらかの印象を感じ取る、その人の直感的な心の働きのことを云う。
絵画や音楽の世界を考えると幾分、分かりやすいだろう。
見る人の感性に訴えるものがある絵画、聴く人の感性に訴えるものがあるのが音楽である。
看寿の名作をひもといて「ほら、この手が妙手でしょう」などと説明しても分からない人にはただポカーンとしているだけだろう。詰将棋を解きながら、その作品が持つ妙手・好手を自然と感じ取ることができるそういった感性を培っていけるとき、詰将棋の解図・創作への能力アップが期待できるだろう。
だから、詰将棋能力は一人で身につけていくしかないのである。
「金無双」シリーズより、今回の作品は19手詰です。