ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

倉敷藤花戦第2局

 倉敷籐花戦の公開対局を観に倉敷市へ行ってきた。
近年、継続している晩秋の楽しみの旅である。
よく出かける理由は「将棋ペンクラブ」の大賞推薦委員をしている関係で倉敷藤花戦は担当棋戦の一つでもあり、やはり公開対局を生で観ておくこともためになることがある。
 それに、菅井七段のホームグラウンドである岡山県下でもあり、その後援会である「竜棋会」のメンバーでもある私はこの日に親しくしている会員の方々と久しぶりに談話できることも楽しみの一つとなっている。


 さて、対局の方だが里見香奈倉敷藤花に対して挑戦者は谷口由紀女流二段である。
先般、行われた第1局は相居飛車戦となり、「相振り飛車シリーズ」となると見ていただけに意外性とやや不満を感じていた。その将棋は挑戦者がうまく指したものの逆転負けを喫してしまったのは周知のとおりである。後を引き摺らねばいいがと願いつつ、2匹目の泥鰌を狙わずに、挑戦者は指し慣れた振り飛車を披露して悔いなき対局を期待して見守ることにした。期待通りの相振りになったが里見さんよりポイントを徐徐に上げられて終始、相手の攻めを受け止めるという印象だった。谷口さんの得意の攻めの展開にもっていけなかったことが力を十二分に出せなかった意味で敗因だろう。
 やはり、第1局を勝ちきれなかったことが返す返すも残念だ。ああいう将棋を落とすと、やはり後を引くものだ。将棋の流れとはそういうものだろう。
 今回は相振りだったので戦い方の極意といったものはよく分かっているつもりだったので大盤解説会場へ移動することなく公開対局会場にてゆったりと観戦した。
 午後3時5分の早い終局がフアンとして少し物足りなさを残した感じだ。
もっと白熱したお互いに見所がある戦い方を望んだが仕方がない。
 やはり里見さんの振り飛車女流棋士のなかではプロットの組み立て方といい、一頭地を抜く指し手であることを確認したような将棋でもあった。