ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

詰将棋入門(公開版)

 それは一通のメールから始まった。
倉敷市のK氏より、以前私が詰パラ誌上に連載した「詰将棋入門」に関してのことだった。この連載記事は10年を一昔とすれば、ゆうに三昔以上もする出来事でもある。現在でも、昔の詰パラを読んだ人が偶然、この連載を発見して時折問い合わせをしていただくことがあり、その都度、復刻版などの小冊子をプレゼントしたりして対応してきた。だから、今回もその類いだろうと思ったが、どうもメールをよく拝見すると少々趣きが違うことが分かった。連載すべてを入力し直して、希望者に配布したいということだった。その配布許可の問い合わせだったのだ。もとより、詰将棋界の発展のためなら私としては何ら反対する理由もなかったので、どうぞご自由にお役立てくださいと返信したところである。


 そして、最初の連絡(3月6日)が入ってから、彼の仕事ぶりは既に取り掛かっていたとはいえ、実に早かった。作業上、生じた彼の疑問に応えるというやり取りを交わした中で、彼のこの連載に対する並々ならぬ思いや熱心さがひしひしと感じられた。3月23日には製本印刷されたものがサンプルとして届けられた。さっそく、封を切って開いたところ、あまりにもきれいな仕上がりに私自身が感激した。


 思えば、20歳の頃パズル的意味合いで興味を持った詰将棋の世界である。以後、27歳の頃、詰パラを購読し始め50年近く詰将棋と付き合ってきた。詰パラでは同人作家となり、2冊の自作品集を出版し、詰パラの担当も通算13年務めるなどして、近年ではやり遂げたという思いが強かったものである。今回、生まれ変わった冊子を拝見して、もしや自分にやり残したことがあるとしたら、実はこのことではないかという思いを新たにした。本来なら、私が自らするべきことであったかも知れません。そういう意味でK氏には心から感謝したい。そして、この公開版が彼の功績として、また冊子そのものが末長く詰将棋の世界へ語り継がれることを望むばかりである。


VivaFan通信「詰将棋入門」公開
http://vivafan.com/2018/03/%e3%80%8c%e8%a9%b0%e5%b0%86%e6%a3%8b%e5%85%a5%e9%96%80%e3%80%8d%e5%85%ac%e9%96%8b/