ストンリバーの日記

「詰将棋パラダイス」同人作家が語る将棋一般ブログ

三度の相振り

 第28期女流王位戦第4局は平成29年6月7日、徳島市で開催された。
昨日、梅雨入りした九州は翌7日にはここ長崎でも朝から雨模様であった。
ゆっくりネット観戦するには絶好の?空模様となった。
 先手番となる伊藤さんは居飛車振り飛車の対抗型にするか相振りにするかの選択権を今回も握っている。角道を止めて期待にたがわず相振りにしてくれたのでうれしい限りである。


 向い飛車vs3間飛車。後手3筋の歩を交換して34飛と浮く。この辺りは先手はせっかく交換された歩を3筋に素直に打たない。こういう指し方をよく拝見するのでよほど、受けに自信があるのであろう。囲いは右矢倉を目指すどころか金銀を盛り上がって行き、後手の攻めとまともに渡り合う。
 44手目後手の46銀に対して、58玉、続く45歩に対して48金引と応じたのが目を引く着手だ。以下、中盤のねじりあいが続く。先手は銀が出たりひいたりと銀の動きが目だった。
 とにかく、どちらが勝ち筋になっているのか最後まで分からなかった大熱戦で135手で挑戦者が制した。このシリーズ、相振り3局の中では一番の好局ではないかと思う。


 これで決着はシリーズ第5局へと移る。里見女流王位の防衛となるか、はたまた伊藤女流2段のタイトル初奪取となるか、次回も相振りの激闘を期待したい。
 もし挑戦者が勝利すれば、私はひそかに彼女のことを「相振りの女王」と呼ぶことになるかもしれませんね。